2012年 6月17日〜6月23日
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2012/06/17(Sun) 棒倒し
葉に「勢い」。
師匠が口にする表現だ。色・ツヤだけではない細かい表情が葉にはある。
ポレポレ農園で今一番のテーマは、葉先をツンと立たせること。
運動会で、棒倒しの旗を皆でシャカリキに登って取りにいくように、
全部の葉が競い合うように上向きであってほしい。
動力噴霧機を使って、葉面散布(ようめんさんぷ)での追肥を試みることにした。
水に溶かした肥料をこの機械で霧状にして散布するのである。
植物の養分吸収は、根だけでなく、葉や茎からでもできる。
ただし、吸収能力は根が抜群に優れており、葉面はあくまでも補助的になる。
散布には、少しコツがいる。
葉の下面に散布しなくてはいけない。
養分の吸収力は、上面より下面の方が強いからだ。
噴霧器のノズルから出る霧は、3メートル先まで濡らせるので、
先の苗と手元の苗、それらの葉の上下両面を見ながら散布していくのである。
( 棒倒しは攻め方のほうが面白い by 農園主 )
2012/06/18(Mon) マエストロ
「小澤征爾 指揮者を語る」(100年インタビュー制作班編)
マエストロの言葉が活字化されたものである。
「先入観とか批判を、実力で納得させていったということなんでしょうね。」
「やっぱり、勤勉だと思う、たぶん人より僕は。」
「才能とかいうことよりも、勤勉だから。うんと努力するというのは東洋人の美点。」
「特に日本人は根性があるんじゃないですか。」
才能の塊のような世界にいる人からの「根性」論である。
( 草むしりをしながら響いた by 農園主 )
2012/06/19(Tue) 水遣り5年
毎朝5時過ぎには、水遣りをする。
できるだけ早く始めることで、根元(クラウン)を乾かした状態にしておきたい。
湿度が高いこの時期に、大敵(タンソ病)から守る第一歩となる。
水量の按配は、土の表面が翌朝には乾いている状態がいい。
土中まで乾いては水不足。葉先が枯れて(チップバーン)しまう。
その日の天候・気温を考えながら水遣りをするが、
翌朝の状態はいつも予想外。乾きすぎ、湿り過ぎ。
「ただ、かけておけばいいよ、この時期は」
そう言う師匠の加減をじっくり観察する。
人間の脳には「ミラー・ニューロン・システム」という装置があるそうだ。
他人の行動をじっくり観ていると、その人の鏡(ミラー)のように脳内の同じ領域が動くという。
イメージトレーニングの有効性は、科学的に裏付けられている。
このシステムで、水遣り3年位にならないものか。
( マエストロに叱られる by 農園主 )
2012/06/20(Wed) あきらめない
好き嫌いが多かった子供のころ、
「これを食べると頭がよくなる。」
親はよくそう言っていた。食育であろう。
脳によい食べ物は、実際には研究が進んでいない。
子供ながらに、うすうす感じていたが、「やはり」である。
ところが、脳科学者が唯一認める、脳によい食べ物があった。
大豆である。
大豆の油に含まれるアセチルコリンという物質が、
記憶力を高める効能があるというのだ。
「毎日、摂ったほうがいい」と京大の久保田教授が著書で書いている。
豆腐、納豆を食べなさいと。
今は好物だが、子供のころは嫌いだったような。。。
( 今からでも挽回 by 農園主 )
2012/06/21(Thu) 雲を掴むような話
台風4号が去った。
千葉県内は、風速30メートルを超える強風 (気象庁の予報用語では「猛烈な風」)
となったが、育苗ハウス1号は、しっかりとイチゴたちを守ってくれた。
翌朝、青空が垣間見えたが、風はまだ強い。
三舟山からの南風に乗って、手が届きそうなくらい雲が低く流れていた。
「海の気象がよくわかる本」森朗著によると、
「雲」と「霧」は同じものなのだそうだ。
気象学的には、空にある場合と、地面に接している場合とで両者を区別する。
だから、山の上だろうと地上にいる限り、雲は掴めないことになる。
ちなみに、「霧」の視界が1キロ先まで見渡せる場合は、「もや」に変わる。
( 雲の三段活用 by 農園主 )
2012/06/22(Fri) 中干し(なかぼし)
方々の田んぼで、水抜きが始まっている。
これから5日間くらいは土を乾かす。
土中に酸素を入れることが目的。
水がないことで稲にドキッとさせ、根を張らせる効果もある。
イチゴの苗には、できない冒険だ。
しおれてしまうと、回復まで1週間はかかる。
ハクサイなどのように水を遣って1、2時間でシャキッとなればいいが、
ダメージが残る。だから、しおれはご法度。
崖から突き落とすような真似は、到底できないのである。
( 落ちるなら自分だけ by 農園主 )
2012/06/23(Sat) お茶やってください
苗の状況や台風のことを気にかけて、色々な人がハウスに寄ってくれる。
農家の仲間たち、ご近所の方々、農協や県の方、市会議員の方。
差し入れもいただくので、おやつは充実感溢れる。
君津界隈では、お茶を勧めるときは、
「カラ茶ですけど、お茶やってください」 と言う。
「粗茶ですけど、どうぞ」の意。
ようやく慣れたが、最初はこれがわからず、
「カラ茶・・・唐茶? 中国の珍しいお茶なのかな」
と本気で思ったり。
しかし、どこへ行っても言われるので流石にこれは違うなと。
出がらしの「カラ」だった。
( 美味しいカラ茶ですね、と言わなくてよかった by 農園主 )
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