[ポレポレ農園主のトレンドライン]

2012年 7月8日〜7月14日

2012/07/08(Sun) トイレどうする?

ポレポレ農園の経営会議(夕飯)で、トイレを熱く議論している。

和式ではトイレができない子供が多い。
なんと言っても、女性は清潔感が第一。
清潔に保つためには、時間をかけずに掃除ができる仕様が必要。
臭い、音はシャットアウトしたい。
シーズンは冬から春なので、暖房便座ならうれしい。

要望はキリがないが、現実にはハードルがある。
農地に建築物は建てられない(農地法)ことになっているからだ。
仮設のトイレを設置する農園が多いのは、ここに理由がある。
しかし、正確にはこれも永続的に置いておくと建築物と認定される。
農地という立地にどこまで快適なトイレが造れるのか、
実は、大きなテーマなのである。

( やっぱり、冬は暖房便座 by 農園主 )

2012/07/09(Mon) 初心

かつての職場の仲間が「手伝いに行くよ」と言ってやって来た。
ゴルフクラブを数本持って現れたところを見ると、どうやら、
その気は毛頭なかったようだが、それでも、
イチゴの苗の世話を強引に手伝ってもらった。

水が足りずにイチゴの苗がしおれかけた時の話をすると
「イチゴがしおれるのは、何かをアピールするためのサイン?
いや、意思はないから、子苗を生存させるために図体が一番大きい親が、
自らしおれるのか?」
と、昔と変わらないユニークな視点で自問自答している。

同期入社の仲間たちは、皆それぞれの分野で踏ん張っていると聞いた。
もちろん、本意でない役割を担わされていることもあるだろうし、
中間管理職として苦労と我慢の連続であることは想像に難くない。
それでも、長いものには巻かれるどころか、細かく切り刻んでいるはずだ。
初心をなかなか忘れられない愚直さが、我々の取り柄なのだから。

( その先は、ずっとあおぞら by 農園主 )

2012/07/10(Tue) 丁張り(ちょうはり)

先週、地ならしを終えた場所に「丁張り」を行った。
ここに、4連棟が建つ。
間口6m×長さ41mのハウスを4棟並列したものである。

丁張りをしているところ

季節外れの餅つきのようであるが、
建てるハウスの向き、縦横の角度、高低さを測量した後、
杭を打ちつけ、糸を張って建てる位置を確定させる作業である。
丁を区分けする(一丁目、二丁目)、というのが語源だそうだ。

職人さん達は広い四角形の中を走り回る。
二人がペアで、杭と木槌を持って小走りに移動する。
そして餅をつく。また走る、餅をつく。
息は、ぴったりである。

( 半か丁か、ではなかった by 農園主 )

2012/07/11(Wed) トイレ請負人

トイレのことで悩んでいる。
農園内に設置する件である。(7月8日記事 トイレどうする?
リフォーム業者なら、と検索してみた。
こういう仕事は、後々の修理もあるので地元に限る。

「イチゴ農園の者です。お客様用のトイレを農園に造りたいのですが」
君津・木更津市の業者を調べ、片っ端から電話してみた。
「はあ?それはちょっとやったことがないので。。。」
大半の反応だ。そうでしょうとも。

「観光イチゴですか、いいですね。」
大量のカタログとともにすぐに訪ねてくれたのが工藤さん。真っ黒に日焼けしている。
こちらからの我がままな要望を受け止め、
「やってみましょう。農園ですから、あたたかみのあるものに仕上げたいですね。」
青森の実家では、りんご農家を営んでおられるそうだ。
トイレ・プロジェクトの始動である。

( りんご作りよりは易しいはずだ by 農園主 )

2012/07/12(Thu) 人間の証明

農園に向かう途中で、カウボーイ風の麦わら帽子をかぶり、
草刈りをしている方を見かける。黒色の帽子である。
格好いいな、と思っていたが、
だからと言って、帽子を普段から愛用しているわけでもないので、
夏に向けた被り物をわざわざ買いに出かけてはいなかった。

「暑いでしょうよ。」
のぶ子さんが、にこにこして持ってきてくれたのが、
黒の麦わら帽子カウボーイ風!

黒の麦わら帽子(カウボーイ風)

のぶ子さんは、農園の隣で田んぼ仕事や大豆作りをする働き者のお母さんだ。
いつも笑顔で、とても明るい人である。
何かと気にかけて、3時のお茶だけでなく、野菜や煮た大豆などを差し入れてくれる。

「ありがとう」
いつものように遠慮なくいただく。
しかし、どうして?この辺りで流行っているのか?

「もらいものだけどね。」
のぶ子さんは、笑いながらそう言っていた。

( 飛ばしてなくさないようにしよう by 農園主 )

2012/07/13(Fri) ミニヤギ

ポレポレ農園のHPを見て遊びに来た友人の子供たちから、
「ヤギはいないの?」とこっそり聞かれる。
近くの牧場から譲ってもらうつもりでいたのだが、簡単ではない。
当方は気にしていないのだが、病気になった場合の瑕疵責任を心配する人もいる。
しかし、大人の都合で子供たちをがっかりさせてはいけない。
あちこち調べた結果、茨城県の牧場を見つけた。

世の中にはそもそもミニヤギという品種はなく、あくまでも小型の山羊。
トカラ山羊、シバ山羊など小型種の山羊の総称なのだそうだ。
山羊の出産は夏と秋の年2回。
9月か10月に無事出産されれば、譲ることはできるとの朗報だ。
ところが、いざ飼うとなると、本当に大丈夫なのか心配になる。
餌の草だけは農園にあきれるほどあるが、
ヤギ小屋の環境はどうするのか?病気になったら?ストレス耐性は?
糞の始末は?体臭は?角は大丈夫か?鳴き声は?
当方が、飼い主たりえるのか、その資質を問う必要がありそうだ。

「植物と動物は、ウソをつかないからいい」
立川談志師匠が言っていた。
実現できれば、イチゴとヤギ。正直者が集う農園になる。

( 紙を食べると腹をくだすらしい by 農園主 )

2012/07/14(Sat) ヘリのパイロット

田んぼの病害虫防除のため、農協が取りまとめて、希望者の水田に農薬散布をする。
散布は無人ヘリを使う。ラジコン・ヘリコプターである。

[写真]ラジコンヘリが散布しているとこと

全長2メートルのラジコンを操作するのは、
農業機械メーカー(ヤンマー)との専属契約パイロット。
ポレポレ農園の地域担当は、宮城県からの方だった。
「この時期だけ仕事がある。青森から千葉まで農薬を散布して回ります。」
噂では、それ以外の時期のパイロットは、ラジコン大会で腕を磨いていると言う。
確かに、当人も「遊んでいますよ」と言っていた。

[写真]ラジコンヘリを操作しているところ

君津出身の元日本チャンピオン(どんな大会かはよく知らない)が散布するときは
その手の野次馬が集まってくるらしい。
ちなみに、1機1千万円するこのヘリは自前だそうだ。
色んな仕事がある。

( 空中転回は見られなかった by 農園主 )