[ポレポレ農園主のトレンドライン]

2012年 8月12日〜8月19日

2012/08/12(Sun) そよ風がストレス

ハウス内での仕事は、意外に涼しい。
遮光ネットと水遣りの蒸散作用で、外よりも結構涼しい。
そこにそよ風が入れば、快適である。
苗にとっても、風による換気は病気の予防になり、見ていても気持ち良さそうである。

ところが、そよ風に違う一面があるという。
植物にとって、ストレスになるというのだ。(「花づくり園芸」山本忠編)
ストレスといっても「適度な刺激」で、それが丈夫な株に育てる。
植物は、適度な風に揺られると体内に成長抑制ホルモン(エチレン)を生成し、
これが、植物の細胞が縦に伸びるのを抑えるため、細胞は横に太る。
だから、ひょろひょろせずに、がっしりした茎や枝になるという。
ポレポレ農園の順調な苗の生育は、その効果だったのである。

( 周りは田んぼだから、風通しと日当たりは言うことない by 農園主 )

2012/08/13(Mon) 挿し苗(さしなえ)

ポレポレ農園の子苗の生育は、順調である。
切り離し終えた子苗からは、ランナーがいまだに勢いよく出てくるので、
予備の苗を採ってみることにした。
挿し苗で。

根が活着していない子苗は、ランナーを切り離すと自生できないから
すぐに萎れて枯れてしまう。
そこで、ランナーの先を長めに切り、土に挿す。
ストローのようにここから水分の吸収ができ、根が出てくる、らしい。

[写真]鹿沼土に挿し苗をしているところ

土は、鹿沼土が一番いいと師匠に教わる。
過湿にならないから、病気になりにくいそうだ。
植物の生命力にあらためて感心する。

( 最近、アクエリアス2リットルは軽く飲む by 農園主 )

2012/08/14(Tue) ホールイン・ワン

置肥を各ポットに施すことにした。
要は、固形肥料を置くだけなのだが、その実行日は周到な?計算の結果である。

イチゴは、9月に花芽をつけ(花芽分化)、その後開花し結実する。
これは、「生殖成長」過程に入ることにより実現し、
9月以降の気温の低下がそれを促すのである。
 しかし、そのタイミングで肥料が残っていると、「栄養成長」過程から抜けられず、
自らを成長させようとする作用の方が強く働くため、花芽は分化しない。

目安としては、花芽分化の20日前から肥料を切ることで、
「生殖成長」過程にスムーズに切り替えられるようにするのである。
 目算では、花芽分化を9月25日前後と考えているので、
9月5日頃には肥料を切りたい。
置肥の効果を20日間とすると、逆算し8月15日前後の施肥となる。

しかし。。。思い通りにいかないのが現実だ。
天候や水遣り加減などで誤差が出るのは言うまでもない。
「予定は未定」
師匠がよく使う言葉である。

( それでもプロは狙って入れるらしい by 農園主 )

2012/08/15(Wed) 継承

「67年前、8月5日の夜、
前橋市はB−29の無差別焼夷弾投下により全焼し、
旧制中学一年と小5の兄弟は、降り来る焼夷弾の下を逃げ延び、
明け方になって、焼け跡くすぶる市内へトボトボと戻った。
幸いにして焼け残った我が家で、両親と涙の再会を果たした。

その日の夕方、広島に新型爆弾が落とされたというニュースが伝わってきた。
後に5日に前橋に落とされる筈であった原爆は天候により、
6日に延期され、広島になったという話であった。
そして、8月15日詔勅が下り、日本人は銃を捨てた。
暑い暑い夏であった。夏になるとつい先日を思う。」

未経験の世代には、引き継がなければならない義務がある。
やりたいことを自由にできる環境は、必然ではないからだ。

( 全てが今につながっている by 農園主 )

2012/08/16(Thu) ミッション・インポッシブル

施肥の作業は、ポットに固形肥料を置くだけ。
しかし、数が多い(6000ポット)ので、楽ではない。
もっとも、仕事なのだから、大変だとかは言ってられないのだが。。。
時よく、父母と妹・甥が東京から夏休みで遊びにやって来た。
人海戦術のチャンス到来である。
「海に、プール、花火だ〜っ」
はしゃぐ中学1年の甥っこに、
どれくらい早起きができるかを昨夜、挑発してみた。
「いつも早起きだよ。7時前には起きるよ」と口をとがらせる彼に
追い打ちをかける。
「6時半くらい?たいしたことないね〜」

今朝5時のこと、
仕事に行く準備をしていると、目をこすりながら甥が起きてくる。
「仕事手伝いにいくよ!」元気な声を出す。
大人たちは、もう寝ていられない。
こうして、施肥作業は、無事片付いたのであった。

( 「仕事に、シャワー、アイスだ〜っ」 by 甥っこ瞭太郎 )

2012/08/17(Fri) フレッシュマン

「新規就農者 情報交換会」として、
君津地区に新規就農をした人達とこれから就農予定の人達の集まりが、
農協主催で定期的に開かれている。
県・市の行政関係者も参加するので、それらの方々に自らの要望ができる点で、
大変有意義な場でもある。

ポレポレ農園の補助金承認が異例のスピードで進んだのは、
昨年の会合で関係者の方々にお願いをし、意思統一をしていただいた上で、
猛烈に仕事をしてもらった成果だ。

今回の会合参加者は、就農者12人。
うち、8人は初参加のフレッシュマンであった。
彼らにアドバイスを求められるが、そんな立場にはない。
ただ、言えるのは、昨年の今頃は、必死でありとあらゆるツテを求めていたということ。
恥も外聞もなく。。。
だから、彼らに今できるサポートは惜しまないつもりである。

( 恩送り by 農園主 )

2012/08/18(Sat) ビールよりコーヒー

鹿野山にあるマザー牧場は、ポレポレ農園からもすぐである。
週末毎に花火大会があることを師匠家族から教わって行ってみる。

花火大会というと、隅田川や東京湾に見物に行った経験があるが、
とにかく、人の多さと渋滞で、容易に楽しむことができない。
ビルの隙間か、あるいは、人垣の隙間から見るのが当たり前。

マザー牧場の花火は、丘の下30メートルから打ち上げてくる。
だから、目の前で花火が開き、迫力満点。
しかも、見上げないので首が楽。人口密度も適度だ。
芝生に敷いたシートで、お隣を気にすることなく、大人数で堪能できる。

終了後、混雑を恐れて、つい、早歩きで駐車場に向かったが、
スムーズな帰路に拍子抜けする。
せっかちな行動が、恥ずかしいくらいなのである。

( 山の上で涼しいから、ホットコーヒーがいい by 農園主 )