[ポレポレ農園主のトレンドライン]

2012年 8月26日〜9月1日

2012/08/26(Sun) 幸福の葉

「副葉(ふくは)」は、葉の途中に出る小さな葉。
「福葉」とも呼ばれ、これが出るとおいしいイチゴができるので、
福を招くといわれる。

副葉がついている様子

根拠がある。
体内の硝酸イオン濃度が適度でなければ、副葉は出てこないからだ。
イオン濃度が600〜800ppmであると、葉の真ん中につき、肥料が適量であることを示す。
肥料分が多目の場合は、葉の上方につくことがあるが、このレンジを上下にはずれると、
姿を消すのである。
この日の測定では680ppmだったので、レンジ内の数値。副葉が示す通りの結果だ。
苗は順調に育ってくれている。

( 幸福のイチゴへ by 農園主 )

2012/08/27(Mon) ただマイヨ・ジョーヌのためでなく

自転車レースの最高峰「ツール・ド・フランス」において、
ランス・アームストロングは、癌を克服して7連覇を成し遂げたスーパースターである。
レースは21ステージに分かれ、山岳コース、平坦コース、タイムトライアルと変化に富み、
合計3300キロほどを走る。組織プレーと個人プレーが交錯し、観るものを虜にする。
そのステージまでのトップだけが着れる黄色のジャージーが、マイヨ・ジョーヌだ。

彼の全タイトル剥奪が発表された。理由はドーピングである。

「本当の話、ツール・ド・フランスでの優勝と癌のどちらを選ぶか、訊かれたら、
僕は癌を選ぶ。奇妙に聞こえるかも知れないが、僕はツール・ド・フランスの優勝者と
いわれるよりは、癌生還者の肩書きの方を選ぶ。
それは、癌が人間として、男として、夫として、父親としての僕に、
かけがえのないものを与えてくれたからだ。」
(「ただマイヨ・ジョーヌのためでなく」  ランス・アームストロング著 )

( 彼は輝き続けている by 農園主 )

2012/08/28(Tue) メダカの学校

1ヶ月ほど前のこと。
農園のハウスに、上品な婦人が旦那さんの運転する車から降りてきて、
「この辺りでメダカが取れるところ、ご存知ですか?」と訊いてきた。
「えーと、この先にある三舟の里という公園なら蛍が見られるので、そこならいるかも」

聞けば、県下の名門高校に通う息子の生物の課題だそうだ。
メダカを捕まえることが。
「高校生にメダカ?先生の真意は?」
「その上、両親が高校生の息子の課題を手伝う?」
これで千葉県の将来は大丈夫だろうか、と少し不安に。。。

「日本のメダカ、実は2種類」
一昨日の新聞記事を見て「これだったのか」と合点がいった。
記事によれば、メダカの遺伝子研究では、2つの集団があるとされてきたが、
しかし、形態に違いがないとして分類学上は、1種類だったそうだ。
それが、近畿大などの調査で見かけにも違いがあることが判ったという。

先生は、この調査期間中に標本の収集を試みたのだろう。
それを聞いたご両親は、息子そっちのけで、知的興味が刺激されたのかも知れない。
しかし、新種は北日本にのみ生息しているということらしい。。。

( いいぞ、千葉 by 農園主 )

2012/08/29(Wed) 都合がいい?

高設栽培のベッドに培土を入れる作業が始まった。
3日間で合計1800袋が、大型トラックで運ばれてくる予定だ。
本日はその初日。ちなみに、1袋は40リットルで約20キロある。

[写真]培土が到着してトラックから降ろしているところ

[写真]高設ベッド脇に培土を並べているところ

この培土には、堆肥やヤシガラなどが様々にブレンドされているが、
特徴的なのは、軽石が含まれているところ。
軽石が保水、保肥の役割を果たし、通気性も確保するから面白い。
それでも、重量はあるから、応援部隊が5人投入されている。
飲み物を差し入れた後は、できるだけこの作業が視界に入らないように、
大人しくしていた。

10年以上前、引越し作業中にギックリ腰をやって以来、
不思議と重いものを見るだけで腰が痛みだす。

( ウソではない by 農園主 )

2012/08/30(Thu) オアシス

新しく電動ポンプが設置され、育苗ハウス1号・2号に蛇口が付いた。
これまでは、ガソリンエンジン式のポンプを臨時に使っていたので、
起動の都度、井戸まで毎回40メートルほどを行き来していた。
それが今や、蛇口を捻るだけで水が出る。(圧の変化で自動スイッチが入るから)

[写真]電動ポンプの取付
(白が新しいポンプ。赤いポンプはガソリン式)

この残暑の中で、工事を進めるみんなも早速、蛇口を捻り、
代わる代わる顔を洗っている。井戸水は冷たい。
「ウォーターッ」と叫びたくなる気持ち良さである。
工期も残り1週間となった。

( もうひと踏ん張り by 農園主 )

2012/08/31(Fri) エア・ビーム

循環扇(エア・ビーム)を本舗ハウス内に取り付けた。
冬場、暖気がハウス内にムラなく行き渡るようにするためである。
(暖房機本体は、現在、オランダから君津に向かっている)
一般的に暖気の送風は、ビニール製のダクトをハウス内に張り巡らせる方法が多いが、
元来が手抜きな性格なので、送風能力の高い暖房機と循環扇の組み合わせに
結論は至った。

[写真]循環扇を設置したところ

1000uのハウス内に5つの循環扇で空気を回す。
空間を2分割し、各々の空間で対流が起きるように設置するのである。
ぐるっと周囲に沿って空気を回す設置位置では、中心部にムラが出るそうだ。
へーっ、なのであった。

( 知らないことばかり by 農園主 )

2012/09/01(Sat) 流れ者

高設ベッドに土入れを始めて4日目になる。
当初は、臨時に人を雇用し、3日間で終わらせる予定と聞いていた。
遅れているのは、厳しい残暑以外に、アルバイト事情もある。

初日に、アルバイトにきてくれた3人のうちの1人に、
「国はどこ?」と質問した。
外国人を雇用したと聞いていたからだ。
中国か?モンゴルか?
「いや、流れ者なもんで」
どうやら、30歳台の男性は邦人だったようで、
「故郷(クニ)はどこ?」に対する答えだった。

この彼は、スタートこそ猛ダッシュの張り切りぶりだったのだが、
2時間でバテ、その後は車の中で昼過ぎまで休憩。
翌日は、午前中遅刻。
そして、3日目には、ついに逃亡した。

( こうして、土入れは明日も続くのであった by 農園主 )