[ポレポレ農園主のトレンドライン]

2012年 9月2日〜9月8日

ひんやり 2012/09/02(Sun)

もう少しで完成する本舗ハウスに、苗を定植した後は、
自動化された水遣りシステムが動く。
定植直後こそは、手で水遣りをするが、それが最後になる。

[写真]灌水システムの様子

このシステムでは、井戸水を一度1,000リットルのタンクに溜め(奥の黒タンク)、
液肥混入機(手前の機械)が肥料を加える。
そして、ポンプ2号(白)が水を送る仕組み。
高設ベッドの上に這わせたチューブを通して、株の根元にタイマーで水をやる。
点滴のように灌水するので、点滴チューブと呼ばれる。

水加減は、言うまでもなく生命線である。
このシステムでは、一定のデータに基づいて、適量の水量を設定できることになっている。
が、本当に適量かどうかは、イチゴが決めることだ。
これまでの4ヵ月間は、テンション・メーターを使いながら、水遣りをしてきたので、
この計器は、これからも手放せない。
そして、最後は。。。やっぱり、指刺し確認になる。
土の中に指を刺し込んで、ひんやり具合を見るのである。

( 結構、冷たい位がいい by 農園主 )

マスコミ(大衆伝達) 2012/09/03(Mon)

「東日本大震災は、第二の敗戦とも言われるが、これはマスコミにこそ良くあてはまる。
先の大戦で戦争遂行に加担をし、大本営の走狗と化した新聞は、
戦後、縷々反省を綴り、真実の報道への決意を新たにしたはずだ。
ところが、今度は、原子力をめぐって安全神話構築のお先棒を担ぎ、あるいは黙過した。」
(「日本の聖域 偽装の国」 選択編集部 編)

随分前から、新聞はそういうものだと思って日々読んできたが、
テレビもまともに観なくなって久しい。

多くの人が、ツイッターやフェイスブックに時間を割いているという。
「友達」の投稿やコメントには、鮮度と公正な価値があるように感じる。
「これいい」とか「役に立つ」と感じたことは、純粋に人に伝えたくなるから、
そこには、主観があるだけで、ウソや打算はないのだ。
だから、人はSNSに自然と集まってくる。

( いいね! by 農園主 )

カモ? 2012/09/04(Tue)

工事は大詰めだ。いよいよ、明日が第1次工期の最終日になる。
(第2次は受付・休憩用ハウスの建設、第3次は駐車場の整備に入る。)
1次工事は補助金をいただけるので、農協に県指定の「決済用普通預金口座」を
受け口として3ヶ月前に作った。
その口座に自己資金分を、そろそろ入金しておかなければいけない。

なけなしの貯金を方々から、かき集めている。
君津のゆうちょ銀行へも残高の送金をしに出かけた。
先の自分名義の農協口座へ振込みをお願いする。
窓 口は年配の女性だった。

暗証番号を入力して、しばらく待っていると、
「お客様、申し訳ありません。手違いで番号を消してしまいまして、再入力ください。」
(仕方ないな。)

再び、待っていると、
「お客様、金額が大きいので、再入力を。。。」
(そんなに、大金でもないけど。)

「お客様、つかぬことですが、オレオレ詐欺とか。。。ではないです。。よね?」
(そんなにカモっぽいかな?それに送金先は、自分名義の口座だけどっ。)

( わずかな資金移動も大仕事である by 農園主 )

ケツカッチン 2012/09/05(Wed)

「カチンコ」は、映画の撮影シーンの冒頭で、鳴らす。
どのシーンの何カット目なのかが書いてあり、編集のための目印である。
逆に、成り行きでカメラを回し始め、最後にカットを入れることもあり、
これは、「ケツカッチン」というそうだ。
それが転じて、後ろにスケジュールが控え、
撮影の撤収時間が決まっていることを言ったりする。

[写真]本舗ハウスに暖房機を設置しているところ

本日、暖房機の設置と試運転が午後4時に終了し、第一次工事は無事竣工となった。
実は、明日には市の確認検査(補助金の申請通りに工事が完成したかをチェック)
が入るので、ぎりぎりセーフである。
まさに「ケツカッチン」なのであった。

「夏休みの宿題は計画的にしなさい」などと偉そうに言える大人は、
そうそういないことはよく知っている。
だからこそ、検査のスケジュールを先に入れたのである。

( 作戦成功 by 農園主 )

ホームゲーム 2012/09/06(Thu)

ポレポレ農園の建設事業(補助金交付事業)が竣工し、
君津市役所による確認検査が行われた。
検査には、農協と工事関係3社が顔を揃える。
ハウス、高設栽培設備、暖房機等の仕様説明をする都度、
市の担当者は、寸法や型番などが申請通りのものか確認し、
時折、質問を交えながら写真を撮っていく。厳粛だ。

しかし、こちら側のあげ足を取るようないじわるな姿勢はない。
これまで1年間、苦労していっしょに事業の申請・承認手続きを進めてきたので、
信頼関係は十分にある。
だから、検査の雰囲気は決してアウェーではなく、あくまでもホームなのであった。

最後に担当者が言った。
「来週の県の検査でも、仕様内容を本日のようにわかりやすくご説明ください。
我々も参加しますし、問題はないかと思います。」

( 若き精鋭たちがサポーター by 農園主 )

ハツラツ 2012/09/07(Fri)

苗たちは元気だ。

[写真]元気に育っている苗の様子

厳しすぎる残暑と雨不足という過酷な気候条件であるが、
ポレポレ農園の苗たちは、遮光ネットを張ったハウス内で、
毎朝、井戸水をたっぷりと吸収し、ご機嫌だ。

ただ、そろそろ肥料の効果が切れるころ。
これまではチッソ中心の施肥だったが、
今回は、リン酸と加里(カリウム)を葉面散布することにした。
リン酸は根の伸長を助け、カリウムは気孔の開閉を活発にする。
逆に、花芽分化(生殖成長)を待つ今の時期には、チッソは控える。
栄養成長を刺激してしまうからだ。

「立ちが違ってくるね」
リンとカリの施肥効果を師匠はこう表現する。

( もっと元気ハツラツに by 農園主 )

いじめを考える 2012/09/08(Sat)

「それは、絶望のせいだった、とぼくは信じている。
彼らは、自分たちに本当の未来を見ていなかったし、
周りの人たちから受け入れられていないと思っていた。
彼らは、自己嫌悪に陥った。
周りにいる人たちを嫌い始めた。
そして、怒り、暴力的になった。」
1999年米国コロラド州のコロンバイン高校で、生徒2人が銃を乱射し、
生徒13人の命を奪い、犯人は自ら命を絶った事件があった。
亡くなった生徒たちだけでなく、犯人とも友人関係にあった生徒が、
当時のことを著している。
(「コロンバイン・ハイスクール・ダイアリー」 ブルックス・ブラウン著)

普通の家庭で育った普通の生徒が、いじめに合い、先生に見て見ぬふりをされ、
警察にはウソをつかれたとある。米国も同じだ。

「自分の夢は絶対に実現しないし、
 世界は絶対によくならないと信じさせられてしまっていた。
 これが、多くの高校生たちが共有している絶望。」(同書)

いじめの対策は、生徒間相互の監視や先生の監視に流れやすいが、
実は全く正反対の間違った考え方であることがわかる。不信を助長するだけだ。
もし、学校や職場に希望が満ち溢れていれば、
人をいじめたり、いじめられたりするヒマはないのかも知れない。

著者は最後に書いている。
「ドント・ギブアップ・ホープ」(希望を捨ててはだめなんだ。)

( 大人だって by 農園主 )