[ポレポレ農園主のトレンドライン]

2012年11月18日〜11月24日

2012/11/18(Sun) 紅あずま

[写真]さつまいもの山

サツマイモは好物である。朝からでも食べるし、寝際でもいい。
ただ、丸ごとはかじれないので、できれば細く切ってほしい。
イモの蔓(つる)も好きだ。

アランのために、農家のお母さんがとっておいてくれた。
形の悪いもの、大きすぎるものは商品にならないそうだ。
畑に「ほっぽっておいた」りっぱなイモをほしがる人もいたそうだが、
「ヤギ屋にやるからダメだ」と断っていたらしい。
感激である。

( イチゴ屋だが by 農園主 )

2012/11/19(Mon) おまたせ やよいひめ

[写真]やよいひめの一番花

「やよいひめ」がついに開花した。
4品種すべての花が出揃ったことになる。
この品種は開花が遅い分、収穫時期も後ずれする。年末ぎりぎりか。

生産者の中には、
「年末のお歳暮需要に応えることができなければ、つくる意味がない」
と言う人もいる。
確かに、販売戦略(ストラテジー)としてはそういう考えもある。
しかし、「味がいいものをつくる」 これもストラテジーだ。
「スパイシーな美味しさっ!」 と表現した人を知っている。

( お楽しみに by 農園主 )

2012/11/20(Tue) アランのこと (初仕事編)

初仕事というと、彼には失礼かもしれない。
毎日せっせと草取りをし、いい仕事をしているからだ。
おかげで、農園に来てから2週間、すくすくと育っている。

[写真]おやつをねだっている子ヤギ・アラン

本日の初仕事は、メディア対応である。
月刊「ぐるっと千葉」の方がわざわざ取材に来られた。
新しくオープンするイチゴ農園の紹介に、ポレポレ農園を取り上げていただいたのだ。
アランはすかさず、自ら近寄って、愛想よくする。
記者さんが、ぶら下げていたカメラに興味があったのかもしれないが、
いずれにせよ、合格っ。
(ご褒美に好物のリンゴとサツマイモを夕食にたっぷりと差し入れた)

[写真]おやつをもらって満足顔の子ヤギ・アラン

写真撮影にも大人しく対応していたから、きっと、いい写真が撮れているはず。
記者さんは、イチゴのことや仕事の様子を含め(アランのことだけでなく)、
2時間近く丁寧に取材して帰られた。
来月下旬の発売になるそうだ。

( 見送りのメェ〜で心をワシ掴み by 農園主 )

2012/11/21(Wed) 夜中のトイレ

[写真]内張りカーテンを閉めた本圃ハウスの様子

寒くなってきた。朝晩は手が冷たく感じる。
君津での寒さの判断は、
「新潟で雪が降れば寒さの始まり、鳥取で降れば本格化。」
師匠の経験則である。

天気予報を見ると、どうやら始まったようなので、
夜間は、ハウスの内張りカーテンを閉めることにした。
天井を覆うことで、ハウス内の温度は外気と5℃は違ってくる。
だから、早朝のハウスに入るとホッとする。

( 布団に戻った時に似ているかも by 農園主 )

2012/11/22(Thu) 行け、正義の味方

イチゴの葉につく害虫ハダニの防除に、天敵投入を実戦(実践)した。
先日、君津農業事務所(旧普及センター)の講習会で教わったので、
放飼方法にとまどいはない。
プラスチックのビンに、おがくずといっしょに天敵が入っている。
これを葉に振りかけていくだけ。

天敵は、ハダニを捕食する異種のダニで、性格が待ち伏せ型と攻撃型と2種類ある。
0.2mmの世界なので見分けが付きにくいが、よく見れば、
後者は赤くツヤッと光って見える。いかにも、頼りになりそうだ。

天敵への取り組みは、当農園が特別なことをしているわけでなく、
君津地域のイチゴ農家は、ほとんど導入している。
殺虫剤の何倍ものコストをかけてである。
減農薬への意識は高い。

( 安全・安心は当たり前 by 農園主 )

2012/11/23(Fri) 葉よけ

「葉よけ」と師匠の家では呼ぶので、当農園でもそう言っている。
花が結実した後、陽をたっぷり浴びてイチゴの実はツヤのある赤い色になる。
葉の影になってはいけない。そのために「葉よけ」作業をする。
また、根元(クラウン)の通気をよくすることで、病気の予防にもなる。
見た目にも清々しい。

[写真]高設ベッドに葉よけを取り付けたところ

作業は、細いワイヤーを通して、花にかかる葉を上へよけていく。
問題はワイヤーを支える棒。本数もたっぷり1200本くらいは要る。
熟考の末、今回は「割り箸」を使ってみた。
竹の割り箸を割らずに、その背に切り込みを入れて、ワイヤーを通す。
手作業で切り込みを入れようと試みたが、これは無謀だった。
30本ほどで降参し、いつものホームセンター(ジョイフル)へ直行し、
電動丸ノコギリを即決購入。
竹の削りカスを全身に浴びたが、期待以上の切れ味とスピードに、
職人気分である。
なんでも自分でやるから、百姓なのだ。

( 今のところ三姓くらい by 農園主 )

2012/11/24(Sat) ミツバチに学ぶ (体温の巻)

[写真]ミツバチが働いている様子

昆虫は変温動物なので成虫では越冬できず、卵かサナギで冬を乗り切る。
ところが、ミツバチは例外だ。
羽を動かして体温をあげることができ、体温は30℃になる。
だから、冬の間に外気が0℃以下になっても、
筋肉を震わせながら密集してかたまり(蜂球)をつくることで、
巣の中の温度が18℃以下になることはないそうだ。(ミツバチ学 菅原道夫著)
おしくらまんじゅう(押し競饅頭)の要領である。

イチゴをつくる立場からすると、いつでも花粉を取りに飛び回ってほしいのだが、
働きバチは、ハウス内の気温が20℃を超えないと見かけない。
しかも雨の日は休みだ。朝は意外にも朝寝坊で、7時過ぎの巣箱は静かである。
暖かい晴れの日は本当によく働くのだが。

( メリハリ by 農園主 )