[ポレポレ農園主のトレンドライン]

2013年5月12日〜5月18日

2013/05/12(Sun) 大先生(おおせんせい)

君津市内に都内からの来院も多い動物病院がある。
大先生は、長野県から来られた初代の先生で、
市内の牛や豚やヤギのほとんどを診ていたそうだから、
当時の農家で知らない人はいない。
大先生は文字通り、引っ張りだこだったそうだ。
嵐の日、夜中に牛のお産で呼ばれたが、
物凄い雷で立ち往生したという昔話を懐かしそうにされた。
「それが今のポレポレ農園の前だったな」と笑って言われる。

ヤギで心配な病気に「腰麻痺(ようまひ)」がある。
蚊を媒介して寄生虫が体内の神経を侵す。
歩行困難になり、生命の危険がある。
この病気からアランを守らねば。
しかし、普通の動物病院ではヤギは診てもらえない。
犬猫の小動物ではないからだ。

大先生が、その予防薬を持って来園してくれたのであった。
近所ののぶ子さんの紹介だ。
二人がアランの命の恩人ということになる。

感激のついでに、大先生に聞いてみた。
「アランは少し。。。太り過ぎですか?」
「この位は普通だよ」
大先生は深く頷いて言ってくれた。

( 心配事が解消 by 農園主 )

2013/05/13(Mon) ランチの王様(大海老天丼 in おすしやさん)

会社勤めのころから、昼飯は楽しみのひとつであった。
忙しくなると、サンドイッチをつまみながらの昼の会議が多くなったので、
その分、外で好きなものを食べられるのは、シアワセなのだった。

チームの若いメンバーに「今日は何を食べに行くか、決めていいよ」と
たまには譲ると、「えー、何でもいいですよ」と大抵返ってくるのが、
不思議でならなかった。

君津に来て2年、昼ごはんの店はまだまだ未知の店が多い。
師匠の知り合いの方から紹介された店に寄ってみた。
「おすしやさん」という店名のお寿司屋さんである。
今回は二回目になる。
前回は、ランチメニューのネギトロ丼をいただいた。
味とボリュームに満足して帰ったのだが、
その時にメニューでちらっと見た「大海老天丼」が気になって、
今回は狙い打ち、張り切って出かけた。

[写真]君津・おすしやさんの

本当に大えび、ぷりぷり。
これが1260円。お値打ちだ。
普段のランチにしては少し高いが、東京駅界隈なら倍以上でもいい代物。
サラリーマンの行列が出来そうな一品だ。
満腹感で、うとうとする。

( サラリーマン時代と同じ by 農園主 )

2013/05/14(Tue) 育苗ハウス2号

来シーズンの苗を育て始めている。
仕事場は、いちご狩りをする本舗ハウスとは別棟の育苗ハウスになる。
昨年は、育苗ハウス1号で「かなみひめ」と「やよいひめ」の苗を育て、
残りの2品種は、師匠のハウスで育ててもらった。
今年は、全ての苗を育てることに挑戦する。
もちろん、困ったら師匠にすぐ教えを乞いにいく予定なのだが。。。
育苗ハウス1号だけでは、スペースが不足なので、
育苗ハウス2号をセットアップした。

[写真]育苗ハウス2号に親苗たちが並んでいる様子

今年も4品種に挑戦するが、ラインアップは少々変わる。
人気だった「かなみひめ」「やよいひめ」と定番の「紅ほっぺ」、
そして新たに「おいCベリー」が加わる。

散歩で通りかかった人から「おっ、植わったね」と声をかけられる。

( いよいよなのだ by 農園主 )

2013/05/15(Wed) 社員証

会社に入社した頃は、社員章が主流だった。
スーツの襟に付けるバッジだ。(これが何ともセンスのない代物だった)
それがいつの間にやら、社員証になり、しかも磁気入りとなった。
ディーリングルームへの出入りも、それをかざさないとドアが開かない。
うっかり、机に忘れてトイレに出ようものなら席に戻れない仕組みだ。
ケータイで新人に「ヘルプッ」と連絡する。
彼らは、忙しくても走って開けに来てくれるから、
この瞬間は何とも頼もしかったものだ。

郵便局に不在連絡票を持って出かけた。
アマゾンで買った本の届け先を自宅ではなく、農園の住所にしていた。
仕事中で受付ハウスに不在だったのか、ポストもないため、
書籍は郵便局に戻ってしまった。
窓口で連絡票と免許証を出したが、
 「免許証と住所が違いますので、ポレポレ農園の方だと証明できるものが、
  何かありますか」
担当者にそう言われる。
先方は、間違いのないように本人に届けることが仕事なのだから、
ごもっともな話である。

 「間違いなく農園の者なのですが(二人しかいない)、例えばどんな証明ですか?」
 「そうですね、例えば社員証とかあれば。。。」
 「。。。すいませんが、再配達をお願いしますっ」

( ハウスの鍵は、つっかえ棒だ by 農園主 )

2013/05/16(Thu) 子供目線

高設栽培のいいところは、
立ったままいちご狩りができるところだ。
作る我々にも作業が楽であるという最大のメリットがある。
子供にとっては、その目線に赤い実がずらっとなっているのであるから、
はしゃぐのも解る。パラダイスだ。

[写真]下から見上げたいちごの様子

 「2歳なのですが、手は届きますか」
お母さん方から時々聞かれる。
高さは85p前後、果房の長さ次第ではいけるはず。
届かない場合は、こんな視界になる。

( いちごのシャワー by 農園主 )

2013/05/17(Fri) モーニング苺

朝方の「紅ほっぺ」の実は、夕方にはこの通り色づく。

[写真]朝方6時の紅ほっぺ
[朝方6時の紅ほっぺ]

[写真]夕方6時の紅ほっぺ
[夕方6時の紅ほっぺ]

気温が高くなってきているので、赤くなる速度は早い。
その分、ハウス内でのいちご狩りは暑くなってきているとも言える。
そこで、今週末から開園時間を早め、8時から始める。
できるだけ涼しい時間に楽しんでいただきたいからだ。
5月の爽やかな風が、気持ちいいはず。

( 早起きのすすめ by 農園主 )

2013/05/18(Sat) 「農」を考える(攻めの農業について)

安倍首相が成長戦略のひとつとして「攻めの農業」を公表した。
生産や輸出の拡大を進めるという。農業の活性化に異論の声はあるまい。
農業問題で必ず出てくる議論が、休耕地の有効利用であるが、
今回もこれらの農地を集約することが強調されている。
「大規模農家」を創出し、効率的な農業を目指そうというものだ。
耳障りのいい意見なのだが、農家として、どうも合点がいかない。
点在した農地を集約するのには意味があろうが、
短絡的な規模の拡大はどうなのか。。。

当園は2人で2反(2000u)のハウスを運営している。
師匠に言われた通り、マックスの広さを実感。
気を抜くとすぐに手入れが行き届かなくなるからだ。
一方で、来園者が増えるに従い、イチゴの実が足りないこともあった。
ならば、ハウスを増設する?
人を雇用し面積を拡大するという経営判断もあるのかも知れない。
しかし、たとえ人手を増やしたとしても、
自分達自身の目が行き届かなくなることは間違いない。
目の数は増やせないから、手抜きになる恐れがあり、
その先には、残念ながら品質の劣化が待っている。
農業の難しいところは、生産性の向上にありそうだ。
工場のように、あるいはレストランのように、
同じものが作れる機械やレシピがあれば増産は容易い。
企業の農業ビジネス参入が成功しないのは、この点にあるかも知れない。

日本の農作物の特長が、安心・安全で手の込んだ食味にあるのだとしたら、
農政の向いている方向は、反対のようで気になる。

( 勝負するなら得意分野で by 農園主 )