[ポレポレ農園主のトレンドライン]

2013年6月2日〜6月8日

2013/06/02(Sun) エッジ

農園のシーズンが終了したことを知った友が、
遠方より労いの言葉を持って訪ねてくれた。
お客様からの励ましのメールも沢山いただいた。
感謝、感激である。
農園の運営が全て順調とはいかないが、温かい声を聴くと自分達の
やろうとしていることは、おおむね間違っていないと自信が湧いてくる。

「批判や中傷は日常茶飯事です。
けれども、批判は自分が成長、前進している証拠だと思っています。
批判とは、要するに向かい風でしょう。向かい風は自分が先頭に立ち、
前に向かって歩いている証拠なのです。
逆に、風が吹かないというのが、一番嫌なことです。」(センス入門 松浦弥太郎著)

「新しいことをやっている以上、いつも否定にさらされます。
でも、きっと、もうだめだというときには、自分を励ましてくれる何かがやってくる。
それで頑張ろうかなと思えます。」(同著)

会社人であっても、農家であっても、アゲインストの風はつきものである。
だからこそ、自分の向いている方向だけは見失わないように、
しっかりとエッジを効かせていきたい。
それは、お客様との「接点」、お客様との「コミュニケーション」である。

( 誰のために農園を作っているのか by 農園主 )

2013/06/03(Mon) 汗をかく男

当園のシーズンが無事終わり、ホッとしてくれている男がいる。
彼は、当園で使用している高設の栽培システムの営業マンであり、
同時に、イチゴ栽培の良きアドバイザーでもある。

新潟から千葉までを一人で担当するから超多忙なのだが、
「心配で、心配で」と、シーズン中は何度も様子を見に来てくれた。
売りっぱなしの業者がほとんどのこの業界で、「信頼できる」男なのである。

ここのシステム費用は、実は他社よりも圧倒的に高い。驚く値段である。
しかし、結果的には安い、これがシーズンを終えた実感でもある。
なぜなら、吉岡さんが付いてくるからだ。
御用聞きではない。様々な地域の生育情報とヒントを持参してくれる。
生産者のために提案するから、語りはいつも熱いのである。

( 汗っかきは体格のせいだったりして? by 農園主 )

2013/06/04(Tue) 検討会 2013年

君津イチゴ部会の検討会(視察会)が、今年も始まった。
師匠の圃場の後、ポレポレ農園も皆さんに見てもらった。
今の時期は、親苗の状況を視ることになる。
振り返れば、去年の今頃はアブラムシと肥料切れに苦労した反省から、
今年の親苗はしっかりと大苗にした。
ただ、少し大きすぎるかな、やりすぎたかなとも正直思っていたが、
「勢いがあっていい」と研究員の方々に言われ、安心した。

[写真]大きく育っているかなみひめの親苗の様子

今回も大きな収穫があった。
それは、3月のイチゴの味落ちについての意見である。
当園でも、1月〜2月に人気だった「かなみひめ」が、
3月に少し残念なことになった苦い経験がある。
急に暖かくなると、イチゴは水分を多く吸い上げるようになるので、
味落ちはよく起きることでもある。
対策として、温度調整と脇芽の整理をしっかりやる、これは基本だが、
同時に、勇気を持ってチッソ分を削らない施策があるという。
この時期に肥料分を施すと、株の趨勢(すうせい)が増し、
味落ちするというのが、教科書。
その意味では、逆転の発想であるが、直観的に腑に落ちている自分がいる。

( 実に面白い by 農園主 )

2013/06/05(Wed) 協働

雑草の生きがいい季節である。
草刈りが、アランだけではどうにも手が回らなくなってきたので、
刈払機で手伝い始めた。
農地は80a(2400坪)あるので、
協力しなければとても太刀打ちできない。
もっとも、アランは自分の背丈ほどの高さまで伸びてしまった草には、
あまり食指を伸ばさず、好みの草をマイペースで食べている。
「こっちの長い草は?」と聞いても、聞く耳持たずだ。

隣の畑では、土入れと整地がほぼ終わったようだ。
よく見ると、すでに草の芽が出ている。

[写真]整地された隣の畑に生え始めた雑草

ため息。
いや、ここにはアランの遊び場も作ろうかと思っているから、
牧草と思うことにする。

( 草刈りも仕事のうち by 農園主 )

2013/06/06(Thu) 株抜き

シーズンが終了し、ハウス内の片づけを始めた。
イチゴの株をひとつずつ抜き取っていく作業である。
合計12,000株植わったものを小さな鎌で根元から切り取っていく。
しっかりと根を張り、クラウン(根元)は隆々しいから、
結構な力仕事になる。
いい実を着けてくれた理由がよくわかる。

[写真]イチゴの株抜き作業の様子

昨年の3月から育てた苗が、こうして今、役割を終える。
栽培は、反省点ばかりだが、
イチゴ達は自らの生命力で「イチゴ成り」に走り切ってくれた。
寂しいなどと言っている暇はない。
すでに次シーズンの苗作りは始まっている。

( さぁ、次いくぞ by 農園主 )

2013/06/07(Fri) ランナー受け 2013

親苗からツル状のランナーが、盛んに出て来ている。
子苗は、このランナーから増やしていくことになる。
一株の親苗から40〜50の子苗を取っていくのが、今年の目標である。
子苗をひとつひとつのポットに活着させていくのが、ランナー受けだ。

[写真]土入れが終わった子苗用ポットを親苗の前に並べているところ

ポットへ土入れを始めた。
13,000個と数は多いが、作業は単純である。
大事なのは、必要な苗数をしっかりと確保すること。
ランナーは、これから加速度的に出てくる。まるで電気コードのようになる。
だから、慌てないように事前に準備をしておく。
くれぐれも品種が混じったりしないように。

( 去年は相当コンガラガッタ by 農園主 )

2013/06/08(Sat) ランナーピン 2013

昨日土を入れたポットに、子苗をピン留めしていく。
根元を押さえて、活着を早めるためである。
オレンジ色の物体が、ランナーピンだ。

[写真]子苗をランナーピンでポットに留めた様子

これをポットのどこに刺すか、昨年はあまり気にしなかった。
9月の定植時の育成に影響すると教科書にはあるが、
高設栽培では、水分を十分に満たした土壌に定植するので、
本圃での活着は早く、主根と言われる太い根がどこにあっても
あまり差はなかった(ような気がする)。

しかし、今年は少しでも良さそうなことはやってみようと、
端っこに刺し始めている。

( できることから by 農園主 )