[ポレポレ農園主のトレンドライン]

2013年6月23日〜6月29日

2013/06/23(Sun) 三角すい

シーズン終了後の、株の抜き取りを続けている。
師匠はこの作業を先週には完了したと聞いているので、
何とか、あと2,3日中には終えたいと踏ん張っている。
鎌を使って、イチゴのクラウン(根元)を残さず切り取る。

[写真]株抜き作業前のイチゴ苗の根元

親指大のこれを残すと、また芽が出てくるだけでなく、土中で分解されにくい。
土中を頂点として三角すいにクラウンの周りを切り取る。
三回の入刀で終えるのが効率的だ。見えない土中の根の張り方を想像して。
慣れると二回の入刀、いや一回でも行けるようになったりする。
小さな喜びである。
修行中の昨年、師匠家族の見事な鎌さばきは、この要領だったのだ。
イチゴの仕事は多岐に渡るが、それぞれを適期に行う1年に一回の作業だ。
この株抜きは、次は来年の今頃になる。
もう少し、早い時期が望ましいのだが。

(鎌も腕も錆びてるかも by 農園主 )

2013/06/24(Mon) 至福の時

アランが、喜びを表すときの仕草は決まっている。
体を左右に揺らしながら、しっぽを千切れんばかりにプリプリ、プリッと振る。
同時に舌をペロペロさせ、そして鼻を「ブーッ」と鳴らすのである。
これが出た時は、至福のサインだ。

株抜きをした「紅ほっぺ」の中には、脇芽がたくさん発生して、
大株になっているものがある。
収穫期なら、この脇芽を剪定しなければ味落ちになるが、
今は、アランが大喜びである。実は、彼の大好物なのである。

[写真]アランが食べる前のイチゴの株

イチゴの赤い実は水分が多く、腹を下すので食べさせないが、
葉っぱと茎は、香り、味ともに好みらしく、例の仕草がさく裂する。
そして、数分でこの通り。残ったのは手袋の上のわずかな根っこ。
この根っこもガムのように最後まで噛み続けるから相当だ。

[写真]アランが食べた後のイチゴの株

( イチゴ屋に来て良かったと思っているはず by 農園主 )

2013/06/25(Tue) ひとやま越え

夕刻にハウス内を見渡す。
抜き終わった12,000株が横たわっている。

[写真]株抜き作業が終わったブルハウスの様子

本日、株抜きのミッションを完了した。
ほっと一息と同時に、これからやりたいことが次々と頭を駆け巡る。
ちなみに、抜き終わった株は乾燥させた後、
風のない日に集めて燃やすことになる。

( ビールは。。。格別だった by 農園主 )

2013/06/26(Wed) ランチの王様 (フルーツトマトパスタ in 清見台カフェ)

君津産のフルーツトマトを使ったパスタソースは、絶品だ。
甘味と深いコクが共存するところへ、店オリジナルの辛いオリーブオイルを少したらす。

[写真]木更津・清見台カフェ の

アラビアータに似て非なる絶妙の甘辛いコンビネーションに絶叫したくなる。
 「幸せー」
ランチには、キッシュが選べる。これが人気でもある店だ。
野菜や肉を包み込むタマゴの風味に、黙って深く頷いてしまう。

[写真]木更津・清見台カフェ の

デザートもたまらない。季節のゼリー(今なら白桃)がアイスの上にプルるんと乗って来る。
コーヒーも旨いと来ているから、100点満点のコースなのである。
オーナーシェフは、フランス料理の修行と実績を持つというから、納得だ。
このランチ、1000円であるのは奇跡だ。

( 書きながら、また食べたくなる by 農園主 )

2013/06/27(Thu) 転ばぬ先の杖

天気予報は外れて、晴天になったが、
雨のつもりで、ハウス内でできる仕事をしていた。
 これから来るであろう台風の対策である。
これまで、3回ほど風速35m級を経験したが、
今のところ、本圃ハウスは何ともない。
被害が出たのは、受付ハウスのドアだけだ。
ドアレールの下に基礎を打ち、補強をしたが、心もとない。
そこで、ドアが風で内側に押し倒されないように、
大口径のパイプを横に2本据え付け、その内側に木材を通してドアを支えることにした。

[写真]台風対策を施した受付ハウスの正面ドア

準備とは言え、今日の青空とはあまりにもアンバランスな風景だ。
外から見れば、まるで差し押さえられた物件のように見えたかも知れない。

( 今日の仕事が、くたびれ儲けであってほしい by 農園主 )

2013/06/28(Fri) 野焼き

雨降りなし風なしの1日、チャンス到来だ。
抜き終えた株を燃やす、野焼きの日。
畑の端っこで燃やすので、一輪車で何度も往復して運ぶ。
アランの横を通る度に、舌をペロペロさせて見つめてくる。
「燃やすなら、全部食べさせてくれ〜」
と言わんばかりだ。
好物なので、少しは彼用に貯めてはあるが、
数日かけて抜いた12,000株は結構な山、とても食べ切れる量ではない。

しかし、燃やし始めれば半日で灰になった。
あっけないが、一区切りついた感はある。
煙を遠巻きに見ていたアランも名残惜しそうだった。

[写真]イチゴの苗を野焼きしている様子

( 煙はイチゴ香かも by 農園主 )

2013/06/29(Sat) イチゴのおにぃちゃん

「これ、本物だよ。」
近所のかりんちゃんが、走って手渡してくれた。
四つ葉のクローバーだ。
 3歳になる彼女は、クローバーをよく探しては、
「見つけたー」と元気に声を上げるが、
葉の数を数えると、残念ながらいつもはずれなのである。
 天気のいい日に、家族でよく散歩しながらやってくる彼女は、
道すがら、アランの好きそうな草をたくさん摘んでくる。
出会ったころは、よくアランの首に抱きついていたのだが、
最近は、デカくなったアランに少しビビり気味だ。

[写真]近所の女の子からもらった四つ葉のクローバー

「おにいちゃん、これあげるね」
そう言って、幸せの品をプレゼントしてくれた。

( 会った時から、なぜかそう呼ばれている。。。 by 農園主 )