[ポレポレ農園主のトレンドライン]

2013年6月30日〜7月6日

2013/06/30(Sun) 休日のヘルプ

動力噴霧器は、ホースで吸い上げた水を噴霧状にして放出する。
病害虫の防除のために苗を消毒する時や、液肥を葉面散布する時には、
必需品。大事な道具の一つである。

昨日、アブラムシの防除をしようと思ってセットアップしたら、
機械からガソリンが漏れている。
あれっ?まさか。
キャブレターを始めエンジンはガソリン漬けになり、
動かなくなった。オートバイでこんなことが起きたら致命的だ。
慌てて購入先の農協に電話する。
土曜日だが、5時までは機械センターは営業をしているというではないか。
大急ぎで重い機械を軽トラに乗せて持っていくと、5時ぎりぎりだ。

当番のサービスの方は、いやな顔ひとつせず、
せっせとエンジンを分解し、30分の残業をして修理してくれた。
「ゴミが。。。挟まっていたようですね。」
「次回はキャブレターの辺りを叩いてみて下さい。コンコンと。」
それで、ゴミが落ちてガソリン漏れが止まることがあるらしい。。。

テキパキとした仕事ぶりで、無事間に合ったのだから助かった。
できれば、日曜日のサービスもあるとなおいい。
農家には、土日はないのだから。

[写真]修理してもらった動力噴霧器

( 望む、一段の進化 by 農園主 ) 

2013/07/01(Mon) ご褒美

さて、7月に入った。
イチゴの営業を終了して、はや1ヶ月。
片づけはもう一息だが、そろそろいただいてもお許しいただけるかなと。
開園祝いや差し入れにいただいた酒の数々だ。
というより、我慢できなくてというのが本音なのだが。

[写真]純米大吟醸原酒

今日は、銀行にいた頃の取引先だった方からの一品。
当時は、彼の推奨する売買の「逆を張る」ことで結構勝つことも。
そんな彼は、今は外資系証券会社でバリバリ稼ぐ。
誠実な人柄から、顧客は増える一方に違いない。
勝ち負けよりも、どこまでいっしょに悩んでくれるか、
毎晩相談している間に、気付いたら恋人のような関係になっている。
 この美酒は大吟醸の甘みだけじゃない、くせになる味だ。

( すでに残りわずか by 農園主 )

2013/07/02(Tue) 甘やかし

コガネムシが、いなくなってきた。
毎朝、夕方に、親苗の葉の裏表をチェックしてきた実感だ。
これまで、茶色のドウガネブイブイが食い荒らした後は、
緑色のカナブンが、葉をバリバリ食べていた。
無残な葉っぱも中にはある。。。
その度に捕獲を続けてきた。

[写真]順調に育っているイチゴの苗の様子

面白い実験がある。
「カエデの葉を昆虫に食べさせると、防御本能であるフェノール化合物の
濃度が上がる」のだが、昆虫に食べられたカエデばかりか、
「その隣の食害に遭っていないカエデまでもフェノール化合物の濃度が増し、
昆虫に食べられにくくなった」というのだ。
 「植物もコミュニケーション能力をもっている」らしい。
(「すごい畑のすごい土」 杉山修一著)

その正体は、「テルペルという揮発性物質(ガス)」にある。
「葉を食べられた時に揮発性物質が放出され、植物はそのガスを自らもつ
センサーで感知し、その情報を遺伝子に伝えて防御物質をつくり、
将来予想される食害に備える」というのである。

良かれと思っていた毎日の捕獲作業は、
イチゴにとっては、自らの進化の阻害になっていたのかも知れない。

( 期待以上に頼もしいのだ by 農園主 )

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2013/07/03(Wed) 大掃除

本圃ハウス内にあった株は、全て抜いて野焼きした。
ただ、ハウス内には株抜きした時に落とした葉っぱが、
大量にそこら中に散乱、乾燥してパリパリだった。
職場は、綺麗な方が気持ちいいに決まっている。

[写真]ベアハウスの大掃除が終わった様子

ぶら下がっているのは、灌水チューブ。
これを株の根元に這わせて、点滴状に水を遣るのである。
だから、目詰まりしてはいけないので、
チューブ内部にスポンジを通して水洗いをしてある。
片づけは容易ではないが、清々とはこのこと。

( 掃きすぎて肘が痛い by 農園主 )

2013/07/04(Thu) ランチの王様 ( うなぎの蒲焼 in 津多屋 )

土用の丑の日は少し先(22日)だが、
連日のハウスの大掃除にようやく目途がつき、元気をもらいに出かける。
鹿野山の上にあるこの店は、地元ではファンが多い。
当園からは、マザー牧場、神野寺への山道を登った道沿いだ。

まずは、肝焼き。
この日は一本しか用意してもらえなかったが、噂通りの美味。
エネルギーが体中にしみ渡っていくのがわかる。

[写真]君津・津多屋の鰻の肝焼きと焼き鳥

蒲焼。
店の桶にうなぎがいる。さばいたばかりの主役は肉厚で、
そこに何ともいい具合のタレがたっぷりかかる。
そして、下段のご飯もいい。君津産のコシヒカリだ。
お新香とご飯だけでもいけそう。
 2500円(梅)は納得プライス。
そう、五臓六腑にしみ渡るとはこのことなのだった。

[写真]君津・津多屋の鰻重

( 帰りは、元気ハツラツ by 農園主 )

2013/07/05(Fri) ゼロ・サム

相場に参加している人間の勝ち負けは、全員のトータルではゼロになる。
つまり、自分の勝っている分は誰かが負けているということだ。
そこが、この世界の醍醐味ではある。
ただ、同業者間での仲間意識は生まれにくい。
常にライバルだから、手の内は見せないものである。

「突然、すいません。」
午後に来園されたご夫婦は、香川県でイチゴを作っている苺ファーム森本の方だった。
聞けば、東京の有名フルーツ店に出荷する実力グループのメンバーである。
このグループ(KOKORO GROUP)はお互いに厳しい栽培ルールを課し、
品質を維持する努力をしているという。
守れなければ除名されるそうだ。。。

お二人は、当園の風変わりな運営方針に興味を持たれ、
わざわざ訪問いただいたようである。
気持ちのいい会話と時間を過ごせたのは、相互に騙し合いがないからだ。
あるのは、互いに向上したいという強い思い。

( いい表情をされたご夫婦だった by 農園主 )

2013/07/06(Sat) 鎌(かま)とサイダー

午後になって、育苗ハウス脇の草取りを始めた。
雑草に虫が付くとイチゴの苗にも寄ってくるので、
小まめに除草することも大事な仕事になる。

「これ、使ってみなよ」
隣の田んぼで草刈りをしていたのぶ子さんが、
わざわざ家に帰ってまで新品の鎌を持って来てくれた。
一度使ったら、手放せないと言うくらいお気に入りの一品らしい。
形、長さ、持ち具合がいい塩梅だ。

[写真]草刈り用の鎌とミニ缶サイダー

「土で手が汚れなくていいよ」
のぶ子さんみたいに、自分の手のようには中々扱えないが、
浅い根にも深い根にも、使い勝手は確かに良い。
どんな仕事でも仕上がりにこだわれば、
必然と道具選びにもこだわることになる。
 いっしょに頂いた飲物はいつものサイダーだが、
巷では見かけない少量入りのカンなのである。
「これ、飲み残しがなくて丁度いいでしょ」
確かにそうだ。

( でも暑い日は2本飲みたい by 農園主 )