[ポレポレ農園主のトレンドライン]

2013年10月13日〜10月19日

2013/10/13(Sun) リザーブ(補欠)

定植してから2週間。
新葉が次々と展開しているので、順調と言える。
もちろん、課題もあるので100点満点とはいかないが。

[写真]定植後の育苗ハウスの様子(奥に予備苗、手前は空ポット)

育苗ハウスでは、予備苗がスタンバイしている。
予定苗数の20%前後をこうして準備しておく。
定植した後で、苗によっては元気に根付かないこともあるからだ。
また、不時出蕾(ふじしゅつらい)から新芽の展開が止まることもある。
これは、育苗期の水不足やチッソ不足で時期尚早の花が咲くことを言い、
ストレスが原因とされる。

今のところ、リザーブの出番はないが、勿体なくはない。
いざという時のために準備することが役割なのだから。

( 念入りのアップはもう少し続く by 農園主 )

2013/10/14(Mon) ハウスの上から

[写真]本圃ハウスの上からの眺め

3連棟ハウスの谷(つなぎ目)からの眺めだ。
地上から2mほどなのだが、慣れないと意外に高い。
雨どいが20センチ幅あるので、歩くのには不自由しないが、
下が透けて見えるので、スリルはある。
台風前に点検、補修をしておくことも仕事だ。
ただ、ハウスのてっぺんの尾根は更に高く、倍くらいになる。
師匠はいとも簡単に歩くのだが、
これは。。。無理をして真似をしないことにしている。

( 写真は撮れない by 農園主 ) 

2013/10/15(Tue) 三郎畑

「キンセンカを植えてみようと思って」
農地の地主である三郎さんは、子供のころに育てた「芯黒(しんぐろ)」が
綺麗だった思い出があり、それを農園に植えたらどうかと言う。
花びらの黄色と芯の黒色、そのコントラストが映える。
開園当初から花畑は目標のひとつだったが、
手が回らずにいたので、飛び上るほど嬉しい提案だ。

苗は、すでに三郎さんが仕立ててくれている。
大型台風に備えて小さい苗たちをトンネルで覆ってある。

[写真]キンセンカの苗を、ビニールのトンネル入り口からのぞいた様子

「お客さんが喜ぶといいね」
そう言い合いながら、鍬でえっさえっさと土を畝っている。

( 開花は3月 by 農園主 )

2013/10/16(Wed) 2013年 台風26号

ご心配の電話やメールを多数いただいたことに感謝、多謝。
おかげ様で、農園一同含むアランとクロちゃん、皆元気である。

ただ、ハウスには多少の被害が出た。
10棟のハウスの内、ビニールが破れたハウスが4棟、
そのうち1棟は骨組みから倒壊した。
水の被害はないが、風に。。。
苗は無事であったのが救いだ。

[写真]北西の風に煽られて倒壊してしまった本圃ハウス

「ハウスが大変ですよっ」
元消防署に勤めていた近所の方が、早朝に知らせに来てくれた。
ハウスは北側からめくれていたので、
台風が接近してくる時の南東の強風ではなく、
その後の返し(北西の風)に煽られたようである。
気が滅入る光景だが、風が治まるまで、全くの無力であった。

君津市では甚大な被害が出ている。
川沿いのカラー(花卉)のハウスの多くが水没している。
イチゴのハウスもある。
苗が水に沈んでいると思うと、心臓が痛い。

あの津波の後、東北の方々が言っていた。
「できることから、やるしかない」
農園のこと、仲間のこと、
途方に暮れている暇はない。

アランは、少し長くこちらを見つめ、
「メヘェ〜」といつもより野太い声で鳴いた。
「イモくれ〜」とせがむ。

[写真]おやつをねだって近寄ってくるアランのアップ顔

(「頑張ろう、君津」と聴こえた by 農園主 )

2013/10/17(Thu) テバテバ

終日かけて全ての苗の葉を消毒した。
ビニールが破れたハウスや倒壊したハウスでは、
昨日の雨風で葉が土で汚れたり、擦れて黒くなったりしている。
そこから病気にならないとも限らないので、
殺菌剤を葉に散布しておくのである。

[写真]風でこすれて黒ずんでしまった紅ほっぺの葉

しかし、心配をよそに、どの品種もその葉の面積が
グングン大きくなっているから頼もしい限りだ。

さて、倒壊したハウス。
昨日に続き、連日で施工した業者が現場確認に来ている。
2日間になるのは元請けと下請けがあるからだ。
このスピード感は有難い。(他業界では普通のことだろうが)
ただ、こちらが気を揉んでいる施工スケジュールについては、回答待ち。
どれだけ、さっさと仕事をやってもらえるのか。。。
こういう時こそ、彼らの真価が問われる。

( テバテバやんべさ、ここではそう言う by 農園主 )

2013/10/18(Fri) 直球勝負

[写真]葉かきを終えた紅ほっぺの苗の様子

葉かきが一段落した。
と言っても、まだ定植後の最初の葉かきに過ぎない。
この作業はシーズンを通して続く。
発根を促すため、そして葉が過繁茂になることを避けるために、
古くなった葉を根元から剪定していくのである。
作業後は、株が清々して見えるから達成感がある。

さて、ハウスの件。
倒壊の原因をまず分析しなくてはいけない。
そうでなければ、次の工事に生かせないからだ。
施工した孫請けの業者からは直接考えを聞けたが、
元請け、下請けからは何もない。
世間ではこれを「丸投げ」と言うのだろう。
会社人からすれば、最も未熟な仕事のやり方とされる。
投げるべきは、顧客ニーズへのど真ん中の直球であるはず。

( マー君並みに by 農園主 )

2013/10/19(Sat) 三郎畑 その2

三郎さんのキンセンカの苗は、台風の後でも無事だった。
ホッと一安心。
先日、鍬で耕した畑予定地の土が少し流されていたので、
土手の下からいっしょに土をスコップで上げた。
そのすぐ脇では破れたハウスのビニールがヒラヒラしている。

[写真]ベアハウスの奥に耕したキンセンカの花畑予定地の様子

畑に肥料を蒔いて、手押しの耕運機で三郎さんが再度耕す。
「苗は2週間くらい後で植えっから」
軽トラから手を振って満足そうに帰って行った。

( 着実に進行中 by 農園主 )