[ポレポレ農園主のトレンドライン]

2013年11月3日〜11月9日

2013/11/03(Sun) マルチング2013年

寒さへの備えを始めた。
マルチング(通称マルチ)は、土中温度を保温するための作業である。
専用の薄いプラスティックフィルムフィルムを3枚使って高設の土を覆う。
ベッドの中央に黒色のフィルムを敷き、その両側は白色を使う。
白は光を反射するので、赤い実の色付きを早めるだけでなく、
葉の緑色とのコントラストが気持ちいいのである。

[写真]マルチング作業前の様子
[マルチング作業前]

[写真]マルチング作業後の様子
[マルチング作業後]

( さらに赤色が加わるとパラダイスになる by 農園主 )

2013/11/04(Mon) 事実のパズル

「わたしたちはもうダメだと思います。」
 (「世界がもし100億人になったなら」 S.エモット著) 
食糧、資源、農地全てが不足するという。今世紀末の予想である。
 科学者が予想する未来は8割ハズれるという統計があるそうだから、
鵜呑みにするつもりはないが、これまで見ないようにしてきた事実を
突き付けられる。
解決策は、「足るを知る」に収れんしていく。

文章はリズミカルで、テンポのいいドラマのようだ。
クライマックスは圧巻。
写真やグラフが多く絵本のようであるが、テーマは深い。
本当の贅沢とムダとは何かを考えさせられる。

( わたしたちは決してダメではない by 農園主 )

2013/11/05(Tue) ブン・ブン・ブン

ミツバチが登場した。
開花から5月のシーズンまでの期間、養蜂屋さんから巣箱を借りる。
レンタルビジネスはここにもある。
1箱に8000匹入っているそうだ。

[写真]いちごハウスの入口に置いたミツバチの巣箱

働きバチには、受粉を手伝ってもらうので大事なパートナーになる。
ちなみに働きバチは全てメスである。
5%程度しかいないオスは巣のための仕事は一切しないらしい。

「彼らはコロニー(巣のこと)でもっとも怠惰なハチである。
働きバチが巣の中の家事全般(巣房の掃除、幼虫への給餌、巣板作り、
峰蜜の熟成、巣の換気、門番など)を行うのに、雄バチは巣にいるときは、
暇な時間をのらくらと過ごし、ときたま貯蔵してある蜜を自分で食べに行くか、
姉妹である働きバチに食事をねだるだけだ。」
(「ミツバチの会議」 トーマス・シーリー著)

彼らの役目は、他の巣の新女王バチと交尾することである。
種の保存と進化にとって重要な役割を果たしていることは間違いないが、
いちご屋にとっては、働かないオスは、、、ご遠慮願いたい。

( 羽音がシーズン到来を告げる by 農園主 ) 

2013/11/06(Wed) 再建へ その2

農業を営む上で、自然の猛威は当然のリスクである。
だからこそ当園のハウスは強風に耐える設計をした。
しかし、台風26号で10棟の内、1棟が倒壊した。

リスクとして予想していなかったのは、
ハウスのパイプが地面から抜けてしまったことである。
今回は、4連棟の東側のハウスが被害にあった。
北東角のパイプが抜け、北側の妻面(扉のある面)が持ち上がったことで
東側のパイプがほぼ全て抜けてしまった。
そして、持ち上がった妻面の重さで大口径のパイプも一部が曲がった。
風に押されてパイプが曲がったり、折れたりしたわけではないので、
その意味では、強度はあったと言える。

パイプが抜けてしまった理由は何か?
@ 抜けた箇所は、建築時に土の中に石が多く含まれていたため、
重機で一度掘り返してからパイプを刺して埋めた。そのため土が軟弱な状態であった。
A 北東角近くの排水口から雨水が溢れ、土の状態が一段と軟弱となった。
B 破れたビニールからハウス内部に入った風の抜け道がなく、弱い箇所に負担がかかった。

これから、それぞれに手を打っていかなければならない。
まずは、Aの対策工事から着手。
排水口の場所を移動し、排水管と枡の容量も大きくした。

[写真]倒壊したハウスの北東角に、排水管と枡を設置する工事の様子

( 次の一手へ by 農園主 )

2013/11/07(Thu) かなみひめの開花

おいCベリー、紅ほっぺが開花し、
かなみひめの蕾も開き始めた。

[写真]かなみひめの一番花が咲いている様子

この品種は、病気に弱く、虫が付きやすいので手がかかる。
案の定、アブラムシが最近やって来た。
しかも結構な大群だ。
さぞかし葉はいい匂いがするのであろう。

かなみひめは、背が低い割には葉も花も大きくなり、
それらが密集すると虫が付きやすく、見つけにくい。
「ずんぐりむっくり」は、イチゴにとっては理想的な体型ではあるが
こういう難点もある。
虫退治はつづく。

( あの味のために by 農園主 )

2013/11/08(Fri) 誤表示?

告白しよう。
昨シーズンのことである。
「やよいひめ」が2,000株植わっていたハウスに
3株ほど「かなみひめ」が交じっていた。
育苗時に間違えて交じってしまったと思われる。

最近の経営会議(昼食と夕食)でこの対処方法について
繰り返し議論がされている。
「誤表示」になるか、否か。
直売で品種を取り違えたことはない。
隣同士のハウスになる「やよいひめ」と「かなみひめ」は同時に
開放していたので、イチゴ狩りのお客様も常に両方食べていたが、
「やよいひめと思って食べたのに」
もし失望感があるとすれば、猛省しなければいけない。
ちなみに直売価格は「かなみひめ」>「やよいひめ」なので、
巷で騒ぎになっている誤表示とは少し違う。

謝罪会見は誰が(どっちが)するべきか。
経営会議の熱い議論は、いつになく長びいている。

( 代表がすべきだ by 農園主 )

2013/11/09(Sat) アランのこと( 好き嫌い編 )

焼き芋の季節になった。
近所の方々から「今、焼いたから」といただくことが増えた。
「べにあずま」から「安寧イモ」まで、おやつに嬉しい。

彼も、サツマイモは大好きだ。
喉につまらせるのではと心配するくらいガツガツ食べる。

[写真]生サツマイモを食べようと首を伸ばすアラン
[生サツマイモを食べようと首を伸ばすアラン]

[写真]生サツマイモにかぶりつくアラン
[生サツマイモにかぶりつくアラン]

これだけ好きなのに、意外にも焼き芋は苦手なのだ。
匂いを嗅いで、首を横に振る。
焦げがダメらしい。
それでも、甘い匂いもするのであろう。
何度も嗅ぎに近づいてくるのだが、
やっぱり首を大きく横に振って、
最後は逃げ出すのであった。

( 苦手なものもある by 農園主 )