[ポレポレ農園主のトレンドライン]

2013年11月24日〜11月30日

2013/11/24(Sun) 結実開始

開花の早かった「おいCベリー」が結実を始めた。
この青い実がどんどん肥大化し、やがて大きな赤い実になっていく。
昨年は寒さと曇天の12月だったため、収穫時期は期待よりも遅れた。
時期を決めるのは、天の恵み、お天道様次第である。

[写真]おいCベリーが小さな青い実になりつつあるところ

「かなみひめ」にも結実がちらほら。
例によって、個性的な形になりそうな予感が。

[写真]かなみひめの花びらが半分だけ落ちて独特の実の形になりつつあるところ

( ピース? by 農園主 )

2013/11/25(Mon) 脇芽(わきめ)かき

本流の芽を残し、その脇から出てくる芽を取り除いていく。
トマトやナス、ぶどうやイチジクでも同じような作業はある。
栄養の分散を防ぎ、味覚を向上させるだけでなく、
風通しを良くして病気を防ぐ目的がある。

[写真]脇芽を掻いた後のおいCベリーの様子

本流を見極めるのは難しい。
脇芽が大きくなると、しっかりとした太い芽になり、
どちらが本物かほとんど見分けができないくらいだ。
出世競争にありがちな話である。
そこは、プロ、瞬時に見極めてさっさと選別している、
と言いたいところだが、うーん、と唸ってしまうことも多々なのだ。

イチゴの生命力からすれば、どちらでも元気に生長するはずだから、
悩む時間は、非効率的とも言える。
それでも、こだわってしまうのは、人間の勝手な思い込みのせいかも知れない。

( 生き残ったのが本流 by 農園主 )

2013/11/26(Tue) やさしい栄養学

植物に欠かせない養分は17種類とされる。
窒素、リン、カリは3大要素として知られているが、
その他の多量要素には、カルシウムやマグネシウムがある。
また必要量が少ない微量要素としては、鉄、マンガンなどがある。
「17番目のニッケル」(「土は土である」 松中照夫著)が見つかったのは、
26年前だそうだから、この分野の研究はまだまだ進化の余地がありそうだ。

[写真]ポレポレ農園の液肥混入機

当園の液肥混入機である。
灌水する時に、必要な要素を混入させる。
窒素はとりわけ、体内のタンパク質をつくるので最も重要な養分である。
窒素は、まず、根から硝酸イオンという形で吸収され、
葉でアンモニアからアミノ酸になり、タンパク質になっていく。
 このアミノ酸に成る過程で気になることがある。
植物体内の炭水化物(光合成で生成)が消費されるのである。
炭水化物は、果実の糖分やビタミンCなどに成るため、
うま味のもとになるので、できるだけ蓄積しておきたい。
したがって、この消費を抑えるために、
アミノ酸を直接的に付与するようにしている。

( やさしくない?栄養学 by 農園主 ) 

2013/11/27(Wed) 農を考える ( 補助金について )

減反政策の廃止が決まった。
合わせてコメ農家へ一律支給していた補助金(個別所得保障制度)もなくなる。
もともとこの制度があっても、補助金が農家の手許には何も入らない、
そういう声はよく聞かれていた。
流通する間になくなるという。
補助金込みの値段でコメが取引されるからだ。
 コメ取引をしたことはないので、確認はできないが、
本当ならば、補助金が本来の役割を果たされていなかったことになる。

当園では、開園時のハウス建築の際に千葉県と君津市から、
補助金(個別補償とは別の制度)を費用の一部分にいただいた。
工事の請負業者の選定は、入札価格によって決定するので、
補助金の使われ方は、“手続き上”公平、効率的なはずである。

しかし、もしである。
この価格が補助金を織り込んだ価格になっていたとしたら。。。
自費で全てを建設するのと何ら変わらず、
補助金分はどこかへ消えたことになる。
「補助金でハウスを作れば、そりゃ高いさ(値段が)」
普通に農家の間で語られることを、今は知っている。

「農業の構造改革をし、産業競争力をつける」 安倍総理も力説する。
しかし、補助金万能主義の限界は見えている。
その他の産業と同じように、普通に競争を促し、
普通に農家が選択できるようにする。
それが最終的に農家の経費を下げ、収入を増やすことになる。
「補助金をいっそのこと止めたらどうか?」
他産業からすれば当然の声かもしれない。
それが消費者の利益につながるのなら、反対する理由はない。

( 目標地点はそこ by 農園主 )

2013/11/28(Thu) 下駄

気温が下がってきた。
特に夜温は、ぐっと下がっている。
保温効果を高めるため、夜間はハウス内のカーテンを閉める。
暖房機もセンサーはON。8℃以下から稼働する。

[写真]内張りカーテンを閉めたブルハウス内の様子

気象庁の3ヶ月予報によれば、
12月〜2月の天候は、平年よりも晴れの日が多くなるそうだ。
気温は、平年より低くなる確率が40%、高くなる確率が20%、
平年並みの確率が40%、と発表されている。(11月25日付)
晴れてくれさえすれば、外気温が多少低くとも、
ハウス内の気温は十分上昇する。
 当たってほしいものだが、
明日や明後日の予報もおぼつかないのに、
3ヶ月予報とは予報官も荷が重いに違いない。
どんなシミュレーションをしているのか、
知りたいような、知りたくないような。

( 当たれ by 農園主 )

2013/11/29(Fri) CO2

暖房機の代理店の方が、1年点検に来られた(そうだ)。
というのも、当方が不在だった夕刻に電話がつながらなかったので、
試運転をして帰られたという。勝手知ったるハウスである。
着信に気付いて折り返してみると、
「機械は問題ないです。
温風が葉に強く当たらないように向きを注意してくださいね。」

[写真]ポレポレ農園の暖房機兼二酸化炭素発生機

オランダ製のこの機械は、暖房機、兼、二酸化炭素発生機でもある。
千葉県内のイチゴ農園で導入したのは、当園が初めてだ。
機械はメンテナンスが大事なので、故障した場合の対応に
実績のないものは敬遠される。
従って、農業用暖房機は、数十年前から変わらない
旧来型のイカツイ機械(日本製)が、ずっと幅を利かせている。

「例の機械のアフターフォローはどうですか?」
他県のイチゴ農家からも質問をいただく。
光合成を活性化させて、少しでも味覚を向上させたい。
全国共通の思いである。

( 毎年の点検に期待 by 農園主 )

2013/11/30(Sat) カイゼン再開、急げ

当園の大きな目標のひとつは、
お客様にリピーターになっていたたくこと。
意気込みだけは、あの東京ディズニーランドにも負けない。
しかし、農園内には至らない箇所が数多くあるので、
カイゼンはできる限りのスピードで進めている、
はずだった。

着手したのは、雨よけアーケードの設置。
受付ハウスからトイレまで15mほどあるのだが、
雨の日は皆さまには走っていただいていた。
申し訳ない。。。

[写真]トイレまでの雨除けアーケード工事前の様子(受付ハウス脇・右手はブルハウス)

10月に入って設置作業を始めていたのだが、
例の台風ハプニングで中断。
すでに2ヵ月近くが経ってしまい、明日からは師走だ。
シーズン突入も近い。
資材や設置方法を何度も相談したJOYFUL(ホームセンター)の方にも、
とっくに、会いづらい。

( まずは、土台作りから by 農園主 )