[ポレポレ農園主のトレンドライン]

2014年2月9日〜2月15日

2014/02/09(Sun) 道のり

「すみません、この大雪で。。。」
 「ゴメンナサイ、車を駐車場から出せなくて。。。」

いちご狩りを予約されていた方々からキャンセルの電話が相次ぐ。
無理もない、45年振りなのだから。
連絡のないお客様もおられるので、いつも通りの開園準備を進める。
そして、今朝は雪かきの大仕事が加わった。

[写真]受付ハウスの入口通路の雪かきが終わったところ

通路の雪をせっせとかき出していると、
「おっはようございまーす」
幼い姉弟が元気よく車から飛び出してきた。
開園時間の15分前だ。
チェーンは巻いているが、普通の乗用車である。

―道は、、、大丈夫でした?どちらからですか?
お父さんに聞いてみた。
「八王子からです。」
―えっ、どうやって、、、
「高速道路が通行止めになり始めたので、昨晩10時に家を出て、
下道でずっと来ました。子供たちと約束したものですから。」

車中で少し仮眠を取り、12時間の旅だったそうだ。
ご無事で何より。しかも時間にも間に合っての一番乗りだ。
いちごと雪遊びに喜ぶお子さん達の歓声と
お父さんの優しい笑み。

( 忘れられない一日となった by 農園主 )

2014/02/10(Mon) オジサン讃歌

学生時代の仲間が3人、家族とともに、
泊りがけで農園に遊びに来てくれた。
久しぶりの再会は、大雪が降る晩の宴会となった。
しみじみ呑むオジサン達、それを途中から盛り上げてくれたのは、
8歳と5歳の兄弟による「なぞなぞショー」だった。

「パンはパンでも、食べられないパンはなーんだ?」
―フライパンッ
オジサン達が先を争うように即答する。オーソドックスなものには強い。
しかし、子供たちの本領はここから。
即興で問題を考えてくるから、頭の柔軟さには舌を巻く。

「カエルはカエルでも、天才のカエルはなーんだ?」
―うーん、、、
―降参。
「カンガエル(考える)」

「虫は虫でも、元気な虫はなーんだ?」
―うーん、、、やっぱり降参。
「ガンバッタ(頑張った)」

世の荒波に日々揉まれているオジサン達には、
何とも心に沁みた2つの答えだった。

[写真]宮坂醸造の日本酒“真澄 純米吟醸 あらばしり”

( この兄弟の父親からもらった日本酒も沁みる by 農園主 ) 

2014/02/11(Tue) 心配事

今朝も、小雪が舞っていた。
積もるほどではなかったが、先日の雪の後だけに、
来園予定のお客様方から心配した声で、続々と問い合わせが入る。
「雪、大丈夫ですか?」
―道路には積もっていませんから、普通のタイヤで大丈夫です。

ユニークな問い合わせもあった。初来園のご家族からである。

「あのー、娘をヤギと遊ばせたいのですが、雪、大丈夫ですか?」
―えっ、ヤギ?、、、雪ですか?
水が得意ではない動物ですので、雪が降っているようなら、
外には出られませんが、小屋の中のアランには会えます。
「そうなんですね。娘が起きたら相談してみます。」
家族のために精一杯の企画をするお父さんのようである。

幸い午後には雪も止み、アランと最後まで戯れるご家族であった。

( また来ます、笑顔の父親だった by 農園主 )

2014/02/12(Wed) 三郎畑 その4

キンセンカの鮮やかなオレンジ色が、
寒空の下で点在し始めた。
咲きほこるようになるのも時間の問題だ。
季節は黙っていても着実に進行しており、
植物はそれを鋭く感知する。

[写真]農園北側の花畑にキンセンカが咲いている様子

確かに、夜明けは少しずつ早まり、夕暮れも延びている。
仕事が余計にできるようになったことで、日長を実感している。 

( 農家の季節感  by 農園主 )

2014/02/13(Thu) 「農」を考える ( 絶対評価について )

ハウス内の暖房機の様子が、いつもと違う。
機械に不具合はつきものである。
営業担当の方に連絡すると、その日の午後には飛んできてくれた。
部品交換などとなると、この寒い夜に暖が取れず困るな(イチゴ達が)、
と心配していたら、車に新品の予備機を積んでの登場だ。
着くなり交換作業を始めた。
「不具合の原因は調べますが、まずはこれをお使い下さい。」
気が利いている。
頼もしい“メンテナンス”対応であった。

[写真]新品に交換してもらった暖房機兼二酸化炭素発生機

農家は作ったものを「不味い」と言われても、あとの祭りになってしまう。
だから、不断の手入れが“メンテナンス”に当たると考えている。
不味ければ、自然淘汰されるだけ。
消費者(お客様)は相対的ではない、絶対評価をするのであるから、
生半可な厳しさでは本来ないのである。
農業界に過保護、ぬるま湯との批判がもしもあるならば、
その原因は、生産者自身にあるのかも知れない。

( 我が家の風呂は、熱い by 農園主 )

2014/02/14(Fri) バレンタインの贈り物

あいにくの雪の予報。それでも男女2人組での来園は多い。
小雪の舞う寒空とは裏腹にハウス内は熱く、
外界との温度差は今季最大だったかも知れない。

よっぽど嬉しかったのであろうか、中には先ほどもらったと思われる
紙袋(例のブツが入っているであろう)を持ったままで、
いちご狩りをする若い男性もいたほどである。

[写真]紅ほっぺの12粒入りトレイ

( ブツはこれでも by 農園主 )

2014/02/15(Sat) 大雪再び

[写真]深夜2時半、自宅庭に停めている軽トラックに雪が積もっている様子

よく降る。
「地球温暖化」って本当なのかと思うほどだ。
確かに、夏の猛暑や集中豪雨の原因を「地球温暖化」とするのは
解りやすいが、厳冬や大雪の現象はどうなのだろうか。
深夜にスケートを観ながら考える。
実は「寒冷化」ではないのか。

長いスパンで眺めると、気温の変化は低下傾向にあるそうだ。
(『「地球温暖化」論に騙されるな!』丸山茂徳著)
太陽の黒点数が減少しており、太陽活動が弱まっている周期に入っているという。
スケールが大きすぎるので、データの解釈には様々な異論があるようだが、
「寒冷化説」が本当なら、エコビジネスの根幹は瓦解しかねない。

( さて、そろそろ彼の出番だ by 農園主 )