[ポレポレ農園主のトレンドライン]

2014年8月31日〜9月6日

2014/08/31(Sun) 新学期

[写真]久し振りに見る青い空と白い雲

夏休みが終わる。
子供のころは、明日から学校にいけるのがうれしかった。
ところが、大人になるといつの間にか。。。

日曜日にあのエンディングを聴くと気持ちが暗くなってしまう、
会社人に特有の症状を「サザエさん症候群」というそうだ。
当時を振り返れば、憂鬱な気分はよくわかる。
いつも調子よくいっているわけではないし、
上司たちのつまらない小言が予想されると尚更だ。

最近、カツオと波平のやりとりを横目ではあるが、よく観ている。
イチゴの仕事が終わり、風呂あがりのビールが「サザエさん」とセットになっている。
「そうか、波平もサラリーマンなんだなぁ」 あらためて気づき、
時々、赤ちょうちんに寄って楽しそうな彼の赤ら顔を見ると妙に親近感が湧いてくる。

( 9月のスタートだ by 農園主 )

2014/09/01(Mon) Xデ―

[写真]最後の葉かき作業を終えた育苗ハウス内の様子

育苗期最後の葉かきが終わったので、
後は、静かに花芽分化を待つことになる。
「花芽分化」とは、(植物生理学的に)
植物の生長点が栄養生長から生殖生長に転換し、
葉を分化していたそれまでの状態から、
花芽を形成し始める段階に移行し始めること、と定義される。
平たく言うと、花が咲く芽が出たということだ。
これが最初の果実になり、ひいては開園時期を決めることになる。
クリスマス?大晦日?
だから、イチゴ農家には注目のXデーなのである。

花芽が誘導される条件は、25℃以下の低温と短日(13時間前後)、
その両立する日数の積み重ねで分化する。
最近のこの涼しさで時期が早まるのでは、と気持ちはハヤるが、
バランスを最終的に取るのが、自然の摂理か。
そんな気もしている。

( 例年は9月20日前後だが、さてさて by 農園主 )

2014/09/02(Tue) みのる君、ご無沙汰

久し振りに本圃ハウスでの仕事に入る。
梅雨明け以降、育苗の作業一辺倒だったが、
苗の花芽分化を待つ間に、定植の準備を始める。
苗を植える高設ベッドの培土を、
根にとって“気持ちいい”状態にするのである。

まずは、専用の耕運機で土を掘り返していく。
“みのる君”は年間で4日程度の登板しかない。
しかし、先陣を切って土と格闘する仕事振りは、頼もしい。

[写真]ブチ耕うん機 みのる君が、高設ベッドの上に設置したところ

( 満を持しての登場 by 農園主 )

2014/09/03(Wed) 天地返し

プチ耕耘機の“みのる君”を使って培土を耕しているが、
全面というわけにはいかない。
ベッドの端までは刃がとどかないからである。
従って、ここは手作業での天地返しになる。 往復2,400m。

[写真]高設ベッドの右端側の天地返しが終わったところ

手を土の中に突っ込んで、表面と奥の土をガバッと入れ替える。
やっかいなのは、土で鼻の孔が真っ黒になるだけではない。
使用している培土には軽石が含まれている。
水と肥料の緩衝材なのだが、天地返しの作業中は少々痛い。
厚めの農作業用手袋では、すぐに指先が破れる上に、
手の甲も擦れてヒリヒリする。

しかし、探せばいいものが必ずあるのが、今の世の中。
海産業務用という手袋は、貝と牡蠣を扱う漁師向けというから即買い。
確かに頑丈だが、蒸れるのが玉にきず。。。

( 秋風に吹かれて by 農園主 )

2014/09/04(Thu) これ、いいね ( イカメンチ )

メンチと言えば、東京神楽坂の大野屋のものが好物だった。
高価な肉を使ったものではなく、普通のメンチの安い方だ。
肉とキャベツがあっさりした衣に包まれて、
ご飯にも麦酒にも相性は抜群であった。
だから、この手のものには少々こだわりがある。
「イカメンチ?ありえないでしょ」と思いきや、

[写真]富浦・釜新肉店のイカメンチ

あれっ?ビールに合う?キャベツとソースと。
“釜新肉店”は南房総市富浦のお肉屋さん。
近くの道の駅“枇杷倶楽部”ではこれを挟んだバーガーもあるそうだ。

( 食わず嫌いはもったいない by 農園主 ) 

※ 農園から車で約50分。
 ※ 店舗情報 : http://tabelog.com/chiba/A1207/A120704/12023318/

2014/09/05(Fri) 農を考える ( Seeについて )

今さらだが、仕事は厳しいものである。農に限った話ではない。
仕事の進め方は、その基本を会社人の時に学んだ(つもりだ)。
「Plan、Do、See(本当はCheckのC)、Act」
 しかし、教科書通りに実行している先輩を見かけたことはなかった。
計画を立てたり、それを実行することまでは、大抵の人ができるが、
それを振り返った上で、問題点を白日の下にさらし次に進んでいる人は少ない。
会社組織の企画部門から、5カ年計画やら中期計画が出ては消える。
言いっ放し、やりっ放しは当たり前のように横行する。
なぜなら、計画通りにできなかった理由や実行後の効果を検証する作業は、
とても重いからである。

今年2月に北関東を襲った雪害に対し、国から農家に補助金が支給されることとなった。
大変有難い施策である。
しかし、それだけに気になることが多い。
 「パイプハウスの資材価格が、軒並み1.5倍になっているらしい」
 「人足が全く足らない。集まっても人件費が高騰しているらしい」
 「農家の希望の施工? 聞いている暇はないって言われるらしい」
いずれもオリンピック需要の影響で仕方ない、と片付けられそうな勢いだから
不安を感じる。

再建費用の上昇は、そのまま補助金(税金)の負担を増やすことになる。
簡単に、「あ、そうですか」というわけにはいかなくなる。
ここは、行政に期待したいところなのだ。
彼らに価格と質の両面で“See”を行ってもらえば、大方の心配事は解消される。
 まず、竣工後、数年に渡って農家に経過報告をさせる。
補助金をいただいているので当然の責任である。
「建てたハウスの状態はどうか、手抜き工事はないか」
「機械の状態はどうか、メンテナンスサービスは充実しているか」
 さらに、行政はそのネットワークを生かして地域間の資材コストや人件費を
比較してみてはどうか。

“入札”を実施すれば、全てが効率的に運営されると信じたいが、
現実が理想通りに必ずしもいかないことは、歴史が示している通りである。
農協改革ばかりが、農政のテーマではない。
業界に不真面目な輩がいるならば、必ず淘汰される仕組みも必要である。

( 行政には”See“の達人であってほしい  by 農園主 )

2014/09/06(Sat) ランチの王様 ( 刺身定食 in 福喜庵 《ふっきあん》 )

館山市の入口である富浦ICからすぐ。
刺身のネタは6〜8種類と聞いていたが、10種類もあり。
ボリュームは噂通り、ネタは注文されてからさばくと言うからプリプリだ。
房総に来たことを実感させてくれる。
しめ鯖の塩加減にもウットリさせられた。

[写真]富浦・福喜庵の刺身定食

ちなみに三色丼(ウニ、いくら、ネギトロ)も捨てがたい逸品。

[写真]富浦・福喜庵の三色丼

( 高速を使えば近い by 農園主 )

※ 農園から車(高速利用)で約40分。
 ※ 店舗情報 : http://tabelog.com/chiba/A1207/A120704/12016595/