[ポレポレ農園主のトレンドライン]

2014年10月19日〜10月25日

2014/10/19(Sun) 風向き

相場の世界では、想定と反対方向に動くことを“アゲインスト”と言う。
逆風という意味である。
自分の記憶ではアゲインストの風がいつも吹き荒れていたことばかりだ。
ここで無情なのは、その後「何とかなった」試しがないことである。
最初は「あれ?」 と思ったことが、どんどん事態は悪化し、
「こんなはずでは」 となっていく。
世間は、厳しい。
幸いにして、サラリーマンだったので自己破産することはなかったが、
自営業ならそうはいかない。

しかし、たまには“フォロー”の風、順風も吹く。
これは夢を持って実行した結果である。
野球で言えば、バットを振って初めて勝負が始まるということだ。

( 見送り三振はしたくない by 農園主 )

2014/10/20(Mon) 愚かもの

[写真]ビニールが破られた本圃ハウスの入口扉

朝からの「アゲインスト」だ。
農園に到着してみたら、本圃ハウスの入口が何者かに切り裂かれているではないか。
同様の被害は2度目である。
侵入したところで苗が植わっているだけ。金目のものは何もない。
もちろん、イチゴも生っていない。
アホな話である。

警察に来てもらい、器物損壊の被害届を出した。
スーパーカブに乗ってやって来た警察官2人は丁寧に調べてくれ、
特に今回の指紋採収は、非常に丹念であった。
「指先だけですが、何とか取れましたので」
収穫はあったようである。
正義は必ず勝つと期待しながらも、念のために警備保障会社2社に電話し、
今後の対策を相談することとした。

( つまらない人間からイチゴを守るために by 農園主 )

2014/10/21(Tue) お腹まわり

大先生(おおせんせい)がひょっこり農園に登場。
半年振りになるだろうか。ご近所の獣医さんである。
アランにと、乾燥させた枝豆つきの枝をどっさりと持って来てくれた。
自分の畑で採れたものだそうだ。

[写真]受付ハウス前に山積みされた枝豆の束

アランを診てもらう。
「肉付きもちょうどいいね。これくらいならいいよ」
メタボと言われると思いきや、セーフ。
そして、大先生は アラン・フィールド を見て、
「えっ?あれがっ? へー、幸せなヤギだねー」
そう言いながらアランのお腹をさする。

( アランもきっと自覚していると思う by 農園主 )

2014/10/22(Wed) 未来切手

コブクロの楽曲である。
彼らのライブ映像を観ていたら、
10年後の自分に手紙が送れる切手があったら、というテーマで作ったと話していた。
―ならば、引き出しに10年間仕舞ったままにすればいいんじゃない?
そう思うと身もふたもなくなってしまうが、夢を持って想像してみる。

「10年前の自分は、今の自分をどう思うのだろうか?」
― 凄いっ、やるね〜
なのか、
― そんなことやってるの?
なのか。
聞いてみたいような知りたくないような。

( ならば、10年後の自分に書いてみようか by 農園主 )

2014/10/23(Thu) ガガ

3年前になろうか、米国音楽界の重鎮トニー・ベネットが、
様々なジャンルのスーパースター達とデュエットアルバムを作っている。
この“デュエットU”のメイキング映像が面白い。
憧れの歌手との共同作業に誰しもが緊張しながら、
ハーモニーと言うか、波長を合わせていく。
この過程が観ていてドキドキ、ハラハラする。こんな音楽も珍しい。
その中でひときわ異彩を放つのが、レディー・ガガであった。
最初は彼女が一番緊張しているように見えたが、
最後は一番重鎮と見事に絡み合い、聴いていて心が震える。
これが縁で2人のアルバムが新たにリリースされている。

音楽の才のない人間からすれば、夢のような世界だ。
しかし、イチゴ農家だって10ヶ月かかった作品を毎年デビューさせる。
スケールは比較にならないが、
お客様に感動してもらうために、まぐれはない。
その点は同じだと思う。

( 蕾が膨らんできている by 農園主 )

2014/10/24(Fri) 天敵出動

天敵の名は「チリカブリダニ」。
イチゴの葉に悪さをするハダニを捕食するので、
イチゴ農家にとっては正義の味方だ。
0.5mmの体長は、ツルッと赤く輝く。
やっぱり、正義の味方は昔から赤色である。

[写真]カブリダニを放飼した直後のイチゴの苗とカブリダニが入っていたボトル

今回は、昨年よりも20日早く出動させた。
寒くなると、ワルものに比べて活動が鈍り、繁殖力で劣勢になる。
その前に攻撃態勢を整えておくためである。

( 頼むぞ by 農園主 )

2014/10/25(Sat) 木こり

竹の割箸1700膳。
割らずに箸元に針金を挟むための切り込みを電動ノコギリで入れていく。
葉よけの針金を張る時に支柱にするためである。
一日がかりになるが、一日でできるとも言える。
木粉を顔中にかぶるので「木こり仕事」と呼んでいる。

[写真]葉よけ用の支柱として使う割箸の切り込み作業の様子

ホームセンターで「領収書下さい」と言ったので、
レジの方は、弁当屋さんと思ったに違いない。
全部買い占めてしまったのだから。

( 千単位にはもう驚かない by 農園主 )