[ポレポレ農園主のトレンドライン]

2014年12月7日〜12月13日

2014/12/07(Sun) 農を考える( 農地の貸借について )

安倍政権の農業改革の目玉として出てきた“農地バンク”。
農地の貸し手と借り手の仲介を都道府県が担おうという試みで、
大規模農家を促すために農地を集約していく仕組みである。
しかし、この活用が進まない。
政府の目標(15万ha)に対し、実績は1%にも満たない。
農水省は、業を煮やして都道府県に順位格付けという成績表をつけるそうだ。
「こんなにいい仕組みで、なぜ進捗していないのだ」というわけだろう。

そもそも、地主の方の立場からすれば、先祖代々の大切な農地を
他人に貸すことへの抵抗感がある。
大事に使ってもらえるかどうか、心配なのは当然だ。
当園は、幸いにして地主さんの好意に甘えることができたが、
非農家出身で、他地域からの新規就農であれば、借りることは必ずしも容易ではない。
「よそ者」扱いする人もおられるからだ。
しかし、地域の農業のためになるなら貸してもいい。
そういう度量をお持ちの方は相当多い。これは実感する。
 規模を大きくしたいだけの企業や農家へ農地が集まらないとすれば、
政策自体が破たんしているということである。

( 地主さんの直感は得てして正しいものだ by 農園主 )

2014/12/08(Mon) ターポリン

[写真]受付ハウス正面入口(右側にはポレポレ農園ロゴ入りのターポリンを掲示)

農園にターポリンの幕を張った。当園のロゴが書いてある。
“ターポリン”とは、テントに使われる厚手のビニール生地のこと。
当園の本物の看板は、一枚板の木彫りのものがあるが、
それ以外に目印はなく、地元の方からも、
「ここって、何を作っているところ?」
時々聞かれたりする。。。
苺の文字で知ってもらえたらと。

( まだまだ知名度も半人前だ by 農園主 )

2014/12/09(Tue) ハーフ&ハーフ

”紅ほっぺ“には、思い入れがある。
この品種は良く知られた名前なのだが、本当の味わいは知られていない。
師匠のいちごを初めて食べた時、それまで食べていた普段の味との差に驚いた。
そこになんとか近づきたいと夏場の育苗期から悪戦苦闘している。。。

[写真]実の半分が赤く色づき始めた紅ほっぺの様子

昨シーズンは努力の甲斐が少し出てきたのか、地元の方々から、
「何これっ、紅ほっぺ?」 と言っていただけるようになってきた。
株、葉、花房の勢いはこれまで以上の出来である。
果実はようやく半分くらいまで赤くなってきた。
もっと皆様を驚かせたい、その一念である。

( もう間近だ by 農園主 )

2014/12/10(Wed) アランのこと ( 耳編 )

「眼は、いつでも思った時にすぐ閉じることができるようにできている。
しかし、耳のほうは、自分では自分を閉じることができないように
できている。なぜだろう。」 (「柿の種」寺田寅彦著)

“人の意見を聞くため”、そう答えるのが哲学的なのかも知れない。
アランは大きな体を丸くして、よく朝寝・昼寝をしているが、
耳だけはいつもぴくぴくと動かしている。
いくら油断していても、これがヤギ。 生きていくためである。

[写真]寝そべりながら、こちらを見つめるヤギのアラン

我々も同じ動物だ。自ら音を遮断するわけにはいかない。
しかし、理不尽な話に耳が閉じられる性分になれたら、とは思う。

( 余計に反応してしまう by 農園主 ) 

2014/12/11(Thu) 明日、売り出し開始

ようやく、この日が迎えられる。
親苗を育て始めたのが3月のこと。
真夏の育苗期にも、順調に育ってくれた。
この9か月間、やれることは全てやった(つもりだ。)
勿論、改善点はまだまだあるが、出来栄えには満足している。
さて、あとは皆様からの通信簿を待つばかり。

[写真]菱形の天窓がついた贈答用の箱に入ったいちご

[写真]贈答用の箱に入ったいちごのアップ

( ソワソワ by 農園主 )

2014/12/12(Fri) 苺屋の甲斐性

[写真]今シーズン初めて掲げる受付ハウス前の看板と幟(のぼり)

ご近所の方々に早朝からご来園いただいた。
「始めたのね」、「楽しみに待っていたよ」と。

地元から愛されるいちご園でありたいと願っているので、
嬉しい売り出し初日となった。
これまで休みなく(本当)イチゴたちの世話をしてきて良かったと、
心から思う瞬間である。
懐かしい顔をこれからどんどん拝見するのが楽しみである。

[写真]今シーズン初めてワゴンに並んだ贈答用イチゴ

( いい仕事だな by 農園主 )

2014/12/13(Sat) 少しでも

ドライ・イチゴを早々に準備し始めた。
数をつくるのがなかなか難しく、
昨シーズンは売り切れになることも多かったので。

切って、乾かすだけの工程であるが、
仕上がりの味覚や食感、色などを追及すると、これが結構奥深い。
当園の職人(嫁)は、いちごを1個ずつ4oにスライスし、(包丁で)
45℃で12時間乾燥させた後、40℃でさらに4時間乾かす。
ただし、これは時期によって微妙に変わってくる(企業秘密)。

[写真]スライスしたイチゴを乾燥しているところ

この手間ひまを考えたら、もちろん赤字だ。。。
しかし、美味しいと言ってくれる方がいるなら、できるだけ用意しようと
夜な夜な仕事になっている。
今シーズンは初めて“おいCベリー”のドライにも挑戦中。

( つい、つまみ食いしてしまう by 農園主 )