[ポレポレ農園主のトレンドライン]

2015年3月29日〜4月4日

2015/03/29(Sun) 出会いと別れと再会と

桜の季節になった。
「おっ、咲いたね」 つい嬉しくなって声を出してしまう。
同時に何となく切ない気持ちにもなるのは、不思議である。
この時期特有の思い出のせいなのかも知れない。
入学、卒業、そして社会人になれば人事異動の季節でもある。

「実は、夫が転勤で愛知に行くことになって。急なんですけど。」
―えっ。ご栄転でしょうけど、残念です。
最近になって当園を知り、隣町から直売によくご来園いただいていたご夫婦である。
メーカーの研究員をされていると先日伺ったばかりだった。

[写真]お客様からいただいたポレポレ動物シリーズの木彫りヤギ

「これ、アランに似てるかなと思って」
―確かに。 腹回りがまるまるしているところは、そっくりですね。
「愛知からも宅配を頼みますから。。。」
―イチゴ栽培が盛んな地域から、光栄です。

その他にも、転勤のお知らせをお客様からメールでいただいている。
当園から足が遠のいてしまうのが、寂しいと。

( ポレポレ農園はいつまでも待っています by 農園主 )

2015/03/30(Mon) お天道様とともに

農園の周辺を朝もやが覆う。
朝日の光もぼんやりするくらい深いが、
すっかり寒さも和らぎ、気持ちがいい。

[写真]農園前から眺める朝もやが広がる田んぼと日の出の風景

「さぁ、今日も仕事やるぞ」
朝摘みのいちごを予約いただいた方々のためにせっせと詰める。
そして、イチゴの葉や花房の手入れにとりかかる。
この時期の葉の成長スピードは速い。ぐんぐん伸びる。
ついつい手入れが後手になってしまい、仕事はいつも山積みだ。
気が付けば、夕日も拝むことになるのである。

( それ以上は残業ができないのがいいところ by 農園主 )

2015/03/31(Tue) 親苗の植え替え

準備しておいたプランターに順番に植えていく。
ひとつ、ひとつ。昨年の様々な失敗を思い出しながら。
新しくやりたいこと、試したいことは山のようにある。

[写真]育苗ハウスに設置したプランターに親苗を植え替えた様子

「毎年、1年生だよ」
開園当時に聞いた先輩農家の言葉の意味が、
少しずつ分かるようになってきた。

( 自分はまだ何も知らない by 農園主 )

2015/04/01(Wed) 引っ張りだこ

大変お世話になった方が、人事異動で去ることになった。
農業事務所(普及センター)の藤城さんは、当園の開園準備から始まって、
その後の栽培のアドバイスまで、付きっきりで面倒を見て来てくれた。
それだけではない。そもそも師匠と引き合わせてくれたのも彼である。
新天地では、農作物の販売促進から輸出まで流通の全面的サポートをする役割に
なるそうだ。

「君津で6年になりますので、故郷みたいに感じて。寂しいというか、実感がなくて。
新しい仕事はデスクワークになるので自信がないのですが、修行だと思って、
しっかりやって来ます。」

労を惜しまない丁寧な仕事振りは、どこへ行っても信頼されるに違いない。

( 偉くなって戻ってきて by 農園主 )

2015/04/02(Thu) フルスイングで

春休みも終盤である。
近所のご家族からマザー牧場に行って来たからとお土産をいただいた。
「天気がいいのは今日までみたいだから、皆で出かけて来ました。」

今週末は、いちご狩りも混雑しないのかも知れない。
天気だけのせいではない。
実は、春休み最後の週末は、例年いちご狩りの来園は静かになる。
多分、お子さんは新学期を控えて、お父さんは新年度入りで、
体調を整えるために?外出を控えているのではないか、と想像している。

そんな真面目な人ばかりではないよ。そういう声も聞こえそうだ。
確かに自分も目一杯遊びたいほうである。

( 遊び人のご来園お待ちします by 農園主 )

2015/04/03(Fri) 未知の道へ

石の上にも3年、と社会人になりたてのころに会社の先輩達からよく言われた。
右も左も解らない人間に、仕事の良しあしや仕事の意味など分かるはずもない。
我慢して続けた人間にしか、新しい発見はやって来ない。
ご褒美のようなものだ。

農業という新しい分野で再スタートを切ろうとしている方が時々、
当園を訪れてくださる。
近いうちに会社を辞めて本格的に稼働する人、
自分に合った営農スタイルを探して、会社勤めをしながら全国を回っている人、
すでに脱サラしてスタート目前の人、などなどだ。

苦労を経験している方々には強みがある。
一生懸命に“もがく”ことの出来る能力である。

( 暗中模索の日々 by 農園主 )

2015/04/04(Sat) Passion For The Best

細身の体型、ひょうひょうと話し振り。
「本当にやる気あるの?」と思われがちな雰囲気の男。(そこがいいのだが)
ところが、いざ仕事となるとこちらが呆れるほどの猛烈ぶりであった。
リーマンショックを共に乗り越えた同士が、
春休みの予約合戦を、案の定ひょうひょうと乗り越えて、ご家族での初来園だ。

今はディーラーの仕事から少し離れたポジションにいるせいか、
すっきりした笑顔に見えた。
しかし、実情はそうでもないらしい。
 「どう? ドル円は上下どっちかね? えっ、どうして?」
若いディーラーに絡んで “ただの相場場好きのうるさいオッサン” になっているらしい。
少し充電すれば、懲りずにまた揉みくちゃにされる世界に戻っているに違いない。

[写真]差し入れにいただいたサントリーウィスキー“響 12年”

( 打たずとも響き渡る男だ by 農園主 )