[ポレポレ農園主のトレンドライン]

2015年6月21日〜6月27日

2015/06/21(Sun) 名残り

[写真]水洗いしたばかりのスカートが干されている本圃ハウスの様子

スカートの水洗いを始めた。
本圃ハウス内の片づけ仕事のひとつだ。
高設ベッドの裾に付けてある保温用の半透明シートの掃除である。

ちなみにこのスカートの長さは合計2,400m。
数日仕事になるので、結構、タフな作業になる。
しかし、小さな手の形をした後がところどころに付いていると、
シーズン中のことを思い出して笑ってしまう。
きっと、練乳をつけたままお子さんがはしゃいでいたに違いない。
ジャブジャブ洗い落しても、思い出は残っているはず。

( ぺったりと by 農園主 )

2015/06/22(Mon) 一歩でも快適へ

苗半作と農家では言う。
いい苗ができれば、仕事の半分は成功ということ。
 イチゴについては、それ以上の八作だと師匠に教わった。
確かに、3シーズンの経験ながらも強く実感するところだ。
だからこそ、育苗にはできるだけの手間と設備をかけたい。

[写真]南側の妻面手前に循環線を取り付けた育苗ハウスの様子

今年のカイゼンは、育苗ハウス内に循環扇(扇風機)を設置したこと。
南側の妻面には、当初から窓を作ってあるが風のない日も多い。
風の流れがないと、ハウス内の気温と湿度が上がる。
あのジメッとモワッとした感じである。
病気の発生に乾燥は欠かせない。そのための施策である。

( 仕事をする我々も気持ちがいい by 農園主 )

2015/06/23(Tue) 三郎畑( 2015年夏 )

農園にある畑の土は、とにかく固い。
田んぼだったところに川砂を入れたから、
乾くとカチンカチンになる。
力持ちの三郎さんでも難儀する。
「ここを畑にするって誰も思わないよ。」
しかし、ネギ、ブロッコリー、サヤエンドウ。
どれも皆さまに喜んでいただいた。

[写真]深く掘り返された三郎畑の様子

「ネギをもう少しやってみようかなと思って」
三郎さんはそう言って、ここまで掘るのであった。

( 山脈? by 農園主 ) 

2015/06/24(Wed) 百日草

シーズン中のこと。
「これ、あげる」と男の子がくれたのが、花の種。
当園に来る途中のガソリンスタンドで景品としてもらったものだとか。
こういうプレゼントは実は困る。。。プレッシャーがかかるからだ。
―じゃあ、いっしょに植えようか
余っていたプランターに種を蒔いた。半信半疑で。
それを見ていたお父さんは、「咲いたら見に来ようね〜」などと
無邪気に無責任なことを言う。

[写真]プランターに一輪咲いたピンク色の百日草

さて、何か手入れをしたわけではないのだが、無事開花。
植物は強いのである。これから百日間は楽しめるらしい。

( 咲いたよぉ by 農園主 )

2015/06/25(Thu) ヒヨッコ

君津いちご部会の視察検討会があった。
毎年、この時期に互いの育苗の状態を視察するものだ。
県の研究所の先生方とともに。
ヒヨッコの当園としては、先輩方の意見を聴ける貴重な場である。
そういう意味では、当園をしばしば視察先に選んでいただいているのは、
幸運なのだが、師匠や先輩方が作る苗との差はいつも歴然である。

分かってはいるものの、毎回打ちのめされる。今回もそうだ。
ヒヨッコだって、毎年必死なのだから。
救いは、先輩方がいつもしつこい質問に丁寧に答えてくれること。
だから、意気消沈している場合ではない。
君津の技術レベルを底辺から上げていくこと、それが恩返しと思っている。

( 育苗期はまだまだ続く by 農園主 )

2015/06/26(Fri) コツコツの効用

梅雨のこの時期、草の伸びにはびっくりする。
その分、草刈りの回数も増えるのだが、少し納得することがあった。

「樹木の育て方」(堀大才 著)によれば、
「植物を年に数回、一定の高さで刈りつづけていると、
 その高さに応じて生き残る植物の種類が決まり、
 一般に刈り込む高さが低ければ低いほど種類は少なくなる。」と言うのだ。
例えば、「地表から5pほどの高さ」で刈りこみを続けていると、
オヒシバやイヌビエなどのイネ科草本が優占する植生状態になり、
全体の種類は20〜30種類の間で安定するようになるそうだ。

農園内ではそんな悠長なことは言っていられない。オヒシバなどは固い草で厄介である。
大抵は1〜2pほどに刈る。そうすると、確かに草の種類は減っており、
主役はもっぱらクローバーになっている。シロツメクサだ。
これなら多少伸びても白い小さな花がたくさん咲き、その様はそれで結構いいものである。

( アランの好物でもある by 農園主 )

2015/06/27(Sat) アランのこと( 贅沢編 )

草の話になる。
アフリカの放牧民は、こう言うそうだ。

「ウマやウシは少々多く放してもあまり草は傷まないが、
ヤギやヒツジは多く放しすぎるとすぐに土地が荒れて使えなくなってしまう。」

なぜならば、ウマやウシは葉や茎しか食べないが、
ヤギやヒツジは地表に草がなくなると根っこまで食べてしまうから、だそうだ。
だから、最初にウマを放ち、次にウシを放ち、草丈がウシの口では食べることが
できなくなるほど低くなるとヤギやヒツジを放すという順番ができているという。

[写真]アランフィールドで自由奔放に歩き回るアランの様子

本当? アラン。
草はこの通り伸び放題になっているけど。
アラン・フィールドは確かに広いし、
美食家だから、少しずつ多くの種類を食べたいのは知っている。
土の付いた根っこは、嫌いなのだと思っていたのだが。。。

( いいさ、それで by 農園主 )