[ポレポレ農園主のトレンドライン]

2015年7月5日〜7月11日

2015/07/05(Sun) 罵声とケーキと

「バカヤロー、そんなヤツは会社辞めちまえっ」
小さな証券会社だったが、支店の月例報告会に罵声は毎回轟いていた。
出張してきた担当常務が顔を真っ赤にして激怒している。
営業マンが目標収益に達していないからではない。
その攻略のために前回会議で決めた施策を実行していなかったからだ。
本当の罵声はここに書けないくらいもっと激しく、そこまで言わなくてもと言うくらい。
しかし、この役員は営業マンと毎回その攻略法を真剣に話合うタイプだったので、
それを実行しない、あるいは経過報告もない人間への反応としては、当然に見えた。

これは、銀行に入社して3年目に出向した関連会社での話である。
“半沢直樹”に言わせればこの年次での出向はエリートからの脱落なのだろうが、
(多分それは当たっている)、価値観を大きく揺さぶられた経験であったことは間違いない。

ここ最近の紙面では、大手電機メーカーの利益水増しによる粉飾決算が騒ぎになっている。
経営幹部による月例会議での詰め方がハンパじゃなかったそうだ。
各部門長は「極度の緊張」(日経新聞)の中での報告だったと言う。
記事を読みながら、昔のことを懐かしく思い出した。
でも、あの常務は呑み会の後にケーキをこっそりと持たせる男でもあった。

( ご家族にと by 農園主 ) 

2015/07/06(Mon) アランのこと( 雨宿り編 )

雨が小降りになっていたので、朝のうちにアランを小屋から出した。
可哀そうに、最近は外に出て草を食べる時間が短い。
好きなように農園内を散歩させていたら、
「おっ、ここいいね」
顔を見合わせてしまったところがあった。アーケードの中である。
お客様の雨よけ、日よけの場所なので、草は少ないのだが、
アランは、首だけを器用に外に出して食べるのである。
濡れないように。

[写真]雨除けアーケードの下で草を食べるアラン(名前を呼ばれて顔をあげたところ)

( ホント作って良かった by 農園主 )

2015/07/07(Tue) TUBE

本圃ハウスの灌水用チューブを水洗いし、
夏を迎える前に片づけ仕事がようやく終わった。

[写真]水洗いを終えた灌水チューブを高設ベッドの上で干している様子

先月には、嫁さんが右手の小指を骨折するアクシデントがあったが、
それでも予定よりも1週間くらい遅れた程度である。
3年目ともなると、少しは手が早くなったと思いたいが、
多少の手抜きを覚えた?ということかも知れない。

( まずは乾杯 by 農園主 )

2015/07/08(Wed) 天才だって、凡才だって

会社員から大学教授になった友がいる。
最初は取引先の人だったのだが、いつも「ドキッ」とさせられる視点に魅かれて、
気がつけばご家族と20年来のつき合いになる。

「本当に始めたのですね、農園を。思い切りましたねぇ」
海外を飛び回る多忙の中でのご来園。
そう言う彼は会社員としてNY赴任中に一念発起し、
帰国することなく当地の大学で経済学の博士になった。
当時は英語も得意ではなかったのに。。。
元々、天才肌だったことは認めるが、それでも大変な努力の賜物である。
そして、とても強い意志の持ち主だ。

君津で久し振りに酒を呑みかわしながら、脱サラの難しさに話題が移ると、
 「でも諦めない限り、失敗ってしないのですよ」
相場でも損切り(損失の確定)をしない限りは、実現損はなく、
“損したことはない”と同義だという例えも交えて、可笑しそうに言う。
 「やり続けることです」

( 天才はいつも控え目なのである by 農園主 )

2015/07/09(Thu) 門番

長雨のジメジメで、苗の病気が心配になる。
大雨の続く九州のイチゴ農家の間では “ヒヤヒヤ” と聞く。
気持ちはよくわかる。
過湿にならないように日々土を触りながら水遣りの加減をすること、
雨であろうが定期的な防除を欠かさないこと、
そして、循環扇で換気をすること。
やれることはやっている。

育苗ハウスの入口に随分と強気なヤツが入り込んでいた。
その鉄壁の防御で苗の難敵をも退治してもらえると嬉しいのだが。。。

[写真]育苗ハウスの入口でハサミを広げて待ち受けるザリガニの様子

( やるかっ by 農園主 )

2015/07/10(Fri) 苗も、はしゃぐ

[写真]梅雨の晴れ間の太陽の光を浴びる子苗の様子

久し振りの強い陽射しだった。
苗たちも葉先をピンと伸ばし、ハツラツとしている。

今月下旬までには、子苗数を13,000ほどまでに増やし、
親苗から切り離す。そして月末までには個別の苗ごとに切り離していく。
今のところ、苗数の増殖は予定の8割くらいだ。
まずまずだが、長雨でペースが鈍ったことは否めない。
当面の晴れ間に期待している。

育苗の最終目標は、9月下旬までにしっかりとした苗に仕上げること。
先はまだまだ長い。焦らず、じっくりと。

( つい、せっかちになるもので by 農園主 ) 

2015/07/11(Sat) 珈琲に美味いもの

[写真]コメダ珈琲店のコーヒーとモーニングサービスのトースト&小倉あん

名古屋発の喫茶チェーン「コメダ珈琲店」を初めて訪れた。
“くつろぎやすさ”が全国的に受けていると聞けば、何かあるだろうと。

米国発のコーヒーチェーン店のような「オシャレさ」「洗練さ」とは違うが、
ローカル線のボックス席のような楽しい雰囲気があり、そして旨い。
タマゴサンドのほんのりとしたマスタードもいいし、
ヒレカツのプレートもボリュームだけでなく、パンとバターとの相性が良い。
次回は違うものを食したいと思い、メニューを見直すと「あれ?ご飯料理がない」。

米価の値上げが議論されている。全農が卸売向け販売価格を上げる予定だそうだ。
「ますます米離れが進む」という食品業界の声もあるという。
美味しいコメはどんなおかずにも合うし、いつでも食べたい。値段だけの問題ではない。
高価ながら、予約で完売している米農家もある。

コメダ珈琲の社長は「うちはコーヒーの味を大切にします。そして、お客さまにくつろいでいただくことを
最重要に考えています」と言う。
「うちは流行の店ではありません。名古屋では42年前から同じように営業し、
親子3代にわたってご利用くださっている方もいらっしゃいます。
また、食べものメニューはたくさんありますが、ご飯ものとパスタは置いていません。
コーヒーの味に合わないからです」
こういう声が経営者から出ていることは事実であり、
それは、消費者からの要望であることも間違いない。

( 美味いものなら、何でも珈琲に合う by 農園主 )