[ポレポレ農園主のトレンドライン]

2015年10月18日〜10月24日

2015/10/18(Sun) 恵比寿さま

[写真]恵比寿さまの鯛が赤くなったビールグラス

数年前に恵比寿のビール工場に寄った時、父が家族皆に買ってくれたものである。
実家に集まった時にはこれで乾杯をしていたが、今はなかなか帰ることができない。
先日両親が君津に遊びにやって来た際に実家から持って来てくれた。
ビールを注ぐと恵比寿さまに色が着く仕掛けがあるこのグラスとは、久し振りの再会だ。

気に入っているのは、手に持ち、口をつけた瞬間の柔らかい感触。
いつものビールが、泡まで違うような気がしてくるのである。

( 麦酒好きには是非 by 農園主 )

2015/10/19(Mon) アランのこと( 帰路編 )

[写真]土手を飛び跳ねながら小屋に帰るアランの様子

彼は、昼を挟んで午前と午後、アラン・フィールド内で自由に過ごす。
お腹いっぱいになっていれば、お気に入りの場所(大抵は隅っこ)に座って、
モグモグと反芻したり、うつらうつらしていたり。
しかし、夕方5時に流れる音色には反応し、すくっと立ち上がる。
下校のときにも流れた、あの “ウェストミンスターの鐘”(鐘の音はこちら) である。
我々が見当たらないようなら、登り台に上がって、
「メェ〜(鐘ですけど〜)」と呼ぶ。
柵が開くと、土手を飛び跳ねながら小躍りするように駆け下り、小屋へまっしぐらだ。

( 家が好きなのである by 農園主 )

2015/10/20(Tue) ゴールに向かって

[写真]ランナーが次々と出現している様子

苗からはランナーがまだまだ発生する。
このツルの発生は、温度と日長の条件で左右され、春から秋までの期間になる。
品種によって異なるのだが、寒くなるにしたがって発生は次第に止まっていく。

夏場の育苗期には、「早く、たくさん出てくれ」と願うもの。
それがこの時期になると、苗の生長だけに全ての養分を使ってほしいので、
余分なものは要らなくなり、全てのランナーを取り除くことになる。
なんとも身勝手な話なのである。

( 全ては赤い実のため by 農園主 )

2015/10/21(Wed) 柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺

[写真]三郎さんからいただいた次郎柿

“正岡子規の俳句。生涯に20万を超える句を詠んだ子規の作品のうち
最も有名な句であり、芭蕉の「古池や蛙飛びこむ水の音」と並んで
俳句の代名詞として知られている”
とウィキペディアにある。

なるほど、柿の色と味、秋空の色と爽やかな気候、そこに鐘の音が鳴るのだから、
全身で秋を感じさせてくれる。
君津界隈では、柿はたいていの家庭の庭にぶら下がっているくらいポピュラーなもの。
贅沢な話である。

「柿の木やとんぼになればとれるかな」
これで小学5年生の時に佳作(クラス内の)をもらった。
柿を見る度になぜか毎年思い出す。

( 生涯の傑作?かも by 農園主 )

2015/10/22(Thu) 二人三脚

多分、今年最後の草刈りになる。
草の勢いは大人しくなり、季節はすでに秋から冬へ向かっているようだ。

先日、農協の機械センターで入念にメンテナンスをしてもらったおかげで、
切れ味は格別だ。担当の加藤さんはいい仕事をしてくれる。
機械好きだけで終わらずに、農家の仕事の都合を考えて段取りが組めるからだ。

[写真]今年最後の草刈りを終えたばかりの受付ハウス前の様子

( だから仕上がりがいい感じ by 農園主 ) 

2015/10/23(Fri) 気は早いが

3ヶ月予報が気象庁から発表された。
「この冬の気温は高め、降水量は多目」ということだ。
先月、師匠と話をした時の見立てに近い。
「エルニーニョの影響で暖冬かも。そうなると雪が多い可能性があるよ」
暖冬はいいが、大雪は大変困る。
今年の千葉は、これまで台風の影響は小さく心配事が少なかったが、
変につじつまを合わせてほしくないものである。

( 大雪にならないといいのだけれど by 農園主 )

2015/10/24(Sat) DNAとたどるイチゴの謎

イチゴは8倍体と呼ばれる8セットのゲノム(遺伝子情報)を持つ、そうだ。
ヒトは2セットだから、相当多いことになる。
理由は解明されていないそうだが、DNAの複製や細胞分裂時のミスと
考えられ、植物の世界にはよくあることらしい。
高次倍数体(ゲノムセットが多いこと)のメリットは、
果実の形が大きくなり、環境の変化に強くなる傾向があること。
イチゴは食に適した進化をしてきたと言える。

[写真]木更津にある “かずさDNA研究所”

以上、木更津の“かずさDNA研究所”の講演会で聴いて来た。
イチゴをゲノム視点で考えたことはなかったので、脳内をリシャッフルされた気分だ。

ちなみに、イチゴの表面のツブツブ(種は中にある)を植えても、
同じものは100%できない。ゲノムが不完全なのだそうだ。
発芽しにくいとは聞いていたが、そもそも本質的な問題があった。
最近では、種からつくるゲノム研究も進んでいる。
いずれ実用化されれば、イチゴの世界に新しい風が吹くことになる。

( 遅れてはいられない by 農園主 )