[ポレポレ農園 イチゴ農家への道のり]

2012年12月 さぁ、胸を張って。

はじめての定植

イチゴの生育は大きく3つのステージに分かれる。
・3月から9月までの育苗期間
・10月から12月の開花、結実期間
・それ以降5月までの収穫期間


イチゴ農家にとって、全てが変化に富んだ仕事の連続であるが、
特に苗作りは、「苗半作」どころか「八作」と言われるほど、イチゴ作りの肝である。
そして、その苗を苗場から本舗に植え替える作業が「定植」である。
9月末の大きな山場、第2ステージの開花に向かう前段階になる。


イチゴの定植は、顕微鏡で花芽分化を確認してから行う。
分化前に定植すると、イチゴは土量が多く快適な本舗ハウスで栄養成長に突き進み、
開花時期は遅れる。
一方で、分化後にすぐ定植しなければ、根は老化していく。
分化確認後、できるだけ早く定植することが要求される。


しかし、苗数が12,000株あると簡単な話ではない。
できれば1日で仕上げたいが、それは難しい。1週間以内でできるだけ早く。
わっしょい、わっしょい、お祭りのような一大イベントになる。
初回の定植は、見かねた師匠のご家族がヘルプに来てくれた。
その手さばきたるや。。。我々2人の半日仕事を2時間程度でこなしていく。
さすが一流の仕事である。


( いつかは自分達も by 農園主 )


いざ、オープン

近所の方々が、実が赤くなったことを知って、
贈答用に注文をいただいたのが初売りだ。
そして、それが後押しとなって開園となった。
自分達が作ったものを世の中に送り出した瞬間である。
充実感と緊張感で、全身がしびれた。
その後も、君津市長が激励に来園されたり、
地元の自治会の方々がお祝いに集まってくれたり。
農園としてスタートできる推進力を周りから付けていただいた。
もちろん、主力エンジンは大竹師匠とそのご家族の支えだ。
ここから先は、自分達の技術で進んでいくしかない。
しかし、一人では何もできないことを痛感した2年の準備期間でもあった。
君津の地にどっぷりと根を降ろし、
周囲の方々とそしてお客様に支えられながら、前進していきたい。
恩返しは、イチゴで。


( さぁ、胸を張って by 農園主 )