[ポレポレ農園主のトレンドライン]

2014年6月1日〜6月7日

2014/06/01(Sun) 市民のために

「今年も来園できなくて、すいません。
時間が空いて、行けそうな日は予約が取れなくて。」
―そうでしたか、ごめんなさい。 
地元期待の若手議員のこの方は、開園前から応援してくれている。

大雪被害の復旧活動に、てんやわんやの毎日だそうだ。
「良かれと思って、やっているのですが。。。
しかし、結果的に期待だけ持たせてしまうだけのこともあって。
日々、勉強です。」

帰り際に、来年小学校に上がる娘さんといっしょにアランと遊ぶ姿は、
普通の優しいお父さんなのである。

( 純粋な熱意は必ず伝わる by 農園主 )

2014/06/02(Mon) 冷やし中華の日

連日の真夏日には、ぐったり。
農家の工夫としては、早朝攻めになる。
夜明け直後のハウス内の気温は18℃。
肌寒いくらいなので、仕事がとてもはかどる。

しかし、長くは続かない。
10時すぎには30℃を超え、11時にはギブアップ。

汗を拭いていると、
「暑いね〜、差し入れだよ。冷やしがいいだろうと思って」
荒玉食堂のマスターからだ。

[写真]荒玉食堂のマスターからの差し入れランチ・冷し中華

( タレまで、飲み干してしまった by 農園主 )

2014/06/03(Tue) ひと山越え

土入れの仕事を終えた。
暑かった。。。
育苗ポット13,000個を作り、配列も計画通りに並べ終える。

[写真]親苗から伸びたランナーが並んだ育苗ポットの上に伸びている様子

昨年に比べると、作業時間が多少だが短縮できた気がする。
効率化至上主義、サラリーマン時代はそれで評価されてきた。
手間を省くことは、もちろん大事ではあるのだが、
それが手を抜くことになっていたとしたら、本末転倒だ。
楽をしているとその分、失っていくものもある。

( 農家の実感 by 農園主 )

2014/06/04(Wed) 長雨へ

梅雨入り間近か、明日からしばらく雨模様だそうだ。
ハウスの利点はそれでも仕事ができること。
休めないのでデメリットとも言えるのだが。

仕事の順序は天候によって変更していく。
草刈りを優先し、ハウス内の片付けを後回しにすることにした。

[写真]梅雨入り前に草刈りを終えたベアハウス西側の様子

こざっぱりした景色をアランは気に入らないようだが、
雨の間に食べるための草はたっぷり刈り取って、倉庫にしまった。

幸い明日から気温は下がりそうである。

( ようやくだ by 農園主 )

2014/06/05(Thu) step by step

後片付けを進めている。
やることは山のようにあるが、地道に少しずつ。

果房折れ防止のためのマットを取り外す。
高設ベッドに張った保温用の白黒マルチも外す。
「コの字」「のの字」と呼んでいる手作りの針金なども。

[写真]本圃ハウスの後片付けをしている様子

初めてだった昨シーズンは、後片けをどこから手を付けていいやら、
悩んだものであるが、今回は、やるべき作業は分かっている。
問題は、どの手順で、どのように保管しておくのが、
来シーズンの仕事が始めやすいのか、である。

以前に、イチゴ農家の大先輩が自らのことを、
「毎年、1年生だから」
そう言っていた。

( 何となくわかる気がしてきた by 農園主 )

2014/06/06(Fri) チューブ

育苗ハウスでの水やりは、手で灌水をしている。
今は親苗だけなので、手間はかからないが、
子苗数が増え、真夏の本当に暑い日には、2人がかりで3時間かかる。
ひとつひとつの苗の表情を見ながらする、手での水やりは、
修行のようで楽ではないが、嫌いではない。
いずれは、彼らの言葉がわかるような気がするからだ。

ただシーズン中のイチゴの実が生る本圃ハウスでは、
上から水をかけると実が傷むので、根元に灌水する。
チューブを根元に這わせて、計算した水量をタイマーで自動灌水している。
また、必要な様々な栄養分もこの灌水に交ぜるのだが、
点滴のように根元に水が落ちる仕組みなので、この穴が詰まっては元も子もない。

[写真]本圃ハウスの高設ベッド上に設置された灌水チューブ

この日の片付けは、チューブ一本一本の掃除である。
口径の大きさに切ったスポンジをこっちからあっちに水流で流す。
「行ったよ」
「来たよ」
50mの距離で叫び合うこと80回だった。

( 道具は大事に by 農園主 ) 

2014/06/07(Sat) 農を考える( CSについて )

農政の改革議論がにぎやかだ。
内閣府の規制改革会議が「農業改革に関する意見」を先月公表し、
農業委員会や農業生産法人、そして農協の見直しを提言。
この意見書では、今回の農業改革は農業政策上の大転換をするラストチャンス、
とあるのだが、何のための改革なのか、肝心なところは抜けている。

一方の廃止を提言されたJA全中(農協の中央組織)は、
この提案に断固反対と表明したが、その根拠は伝わらない。

論点が上滑りしている理由は簡単だ。
生産者がコストを抑えた上で、美味しいものを作る、それが消費者の利益につながる。
両者には、この出発点が欠けているのである。

「いや、もう結構です。他に頼みますから」
世の中では当たり前のこの消費行動がままならない。
肥料や資材の購入ルートだけではなく、
施工業者を含めて取引先の選択肢はたくさんほしい。
しかし、この業界では独占や縄張りが常識、これが実感である。

他業界からの新規参入は無論、期待したいところではあるが、
地域によっては、頼られる存在の農協もあるはずだ。
ならば、地域の枠を超えた自由な乗り入れを促してほしい。

( お客様のため by 農園主 )